受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

早稲田スピリットの下、
知的好奇心をかき立てる
発展的な学びを追究

早稲田大学高等学院中学部 学院長 武沢 護 先生

実験、調べ学習、発表を重視
先取りしないがゆえの深い学び

聞き手1
サピックス小学部
教育情報センター部長
広野 雅明

髙宮 多くの中高一貫校は、中学では6年間を見通して先取り学習をします。このため、高校からも受け入れている学校の場合、最初は中学からの進学生と高校からの入学生を別クラスにすることが多く、場合によっては3年間分けたままの学校もあります。高等学院では最初から一緒ですね。

武沢 本校は先取りをしないので、進度がそろっています。先取りしない分、深く学びます。たとえば数学では、中3がコンピューター室で統計的なことを学ぶなど、中学生では通常は扱わないところまでやります。それから、理科は実験がかなり多いです。実験器具は一般の中学校にはないようなものまでそろえていますから、かなり恵まれていると思います。自分で調べてレポートを書く機会も多いですね。中1は2泊3日の奈良研修がありますが、3日間あるうちの1日を自主研修に充て、事前に自分たちで決めたテーマについて調べて、その結果を学習発表会に向けてまとめます。中2になると、パワーポイントを使いこなして発表できるようになります。

広野 英語によるスピーチコンテストもあるそうですね。

武沢 スピーチコンテストは毎年2月に行っています。それに向けて学年ごとにテーマを決めて、クラスで全員が英語でスピーチをして代表者を選びます。本番では、選ばれた生徒が講堂でスピーチをして競いますが、かなり流ちょうに話します。

広野 早稲田大学の附属校ということで、国際交流も非常に盛んですよね。

武沢 昔から国際交流はとても盛んです。中学部でもオーストラリアのシドニーの学校と提携して、積極的に短期・長期の留学や研修を行っています。夏に約2週間、希望者対象の研修があって、どちらかというと文化交流の意味合いが強いですが、かなり刺激を受けて帰ってきます。高校では、今年はできませんでしたが、毎年ソウルのハナ高校を中心にシンポジウムが行われます。本校のほか日本から数校が参加し、シンガポールの学校も来ます。本校からもかなりの精鋭たちが行くのですが、みんな打ちのめされて帰ってきます。帰ってくると、「先生、もうだめだ。おれたち、もっとやらなきゃ」と言います。わたしたちが口を酸っぱくして言ってもやらないのに(笑)。レベルの高い海外の高校生との他流試合は必要ですね。

21年7月号 さぴあインタビュー/全国版:
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