さぴあインタビュー/全国版
禅の精神に基づく人間教育と
体験重視の探究学習を柱に
真のグローバルリーダーを養成
世田谷学園中学校・高等学校 校長 山本 慈訓 先生
大学との連携教育、新校舎の建設
今後はさらに教育環境が充実
神田 2023年度の大学合格実績を拝見しました。国公立大学の合格者が48名で、そのうち現役が39名となっています。医学部医学科の合格者は国公私立を合わせて32名で、そのうち15名が現役で合格しています。すばらしいですね。理数コースには医療系ゼミがありますから、今後ますます増えていくのではないでしょうか。
山本 医療系ゼミは本校出身の医療関係者が自主的に組織した「獅子医会」の協力で行っているもので、医学・薬学・看護学のゼミを行うほか、医療系大学の受験相談会もあります。実はその獅子医会を立ち上げた卒業生が昭和大学で教員をしていて、そのご縁で近々、昭和大学と連携教育協定を結ぶことになりました。学校間でのつながりができれば、本校の生徒が見学に伺えるようにもなります。
神田 医療系ゼミの内容がさらに充実してきますね。では最後に、これから貴校をめざす受験生と保護者の方にアドバイスをいただきたいと思います。
山本 「うさぎとかめ」の昔話があります。うさぎが亀に負けたのは、うさぎが自分の力を過信して油断したからだと言われます。確かに油断は大敵ですが、あの話にはもっと大切な教訓が隠されています。うさぎと亀とでは見ていたものが違うのです。うさぎが見ていたのは亀です。そして、のろのろとやってくる亀の姿に油断をしました。一方、亀が見ていたのは旗が立っている山の頂上です。目標を見つめてひたすらに前進を続けたのです。相手がどうこうではなく、自分自身が明日を見つめてひたすらに努力する。この話はその大切さを教えてくれます。
小学生の皆さんも模試を受けると思います。本校の高3生も模試を受けます。彼らは後輩たちにこう言います。「模試の合否判定に一喜一憂しても意味がない、大切なことは自分の弱点を見つけて、それを克服するために努力することだ」と。弱点があるのは、ある意味でチャンスなのです。それを克服しさえすれば、その分だけ伸びるのですから。一人ひとりに可能性があり、その可能性を信じて、明日を見つめて今をひたすらに努力し、着実に自分の歩みを進めていってほしいと思います。
本校は2026年に創立125年を迎えます。現在その記念事業を進めていまして、この3月にグラウンドの人工芝化工事が終わり、来年は新しい校舎の建設が始まります。その校舎には技術室と美術室が入ります。技術室と美術室が近くなりますから、両方でコラボしておもしろい授業ができると思います。ICTラボ、グローバルルーム、多目的ホールも新設され、生徒の高い知的好奇心と創造性を育てることにも大きく寄与するでしょう。期待してください。
神田 創立125年に合わせて教育環境がグレードアップするということですね。楽しみです。本日はありがとうございました。
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