受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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  • 24年2月号 [入試に出る時事問題]これだけは押さえておこう! ニュース総チェック

さぴあニュースバンク

総チェック目次
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2023年の主な出来事

これだけは押さえておこう! 入試に出る時事問題さぴあニュースバンク2024年 入試対策/ニュース総チェック

 今、この瞬間にも、ウクライナや中東のパレスチナ自治区のガザ地区などには戦火にさらされて苦しんでいる人々がいます。これからの日本と世界を担う皆さんには、こうした問題には関心を持ってもらいたいです。どうするのが正解なのか、簡単には結論が出ませんが、それらの出来事は食料やエネルギーの供給に影響を与え、わたしたちの生活にも直結しています。たとえ小学生でも、自分の頭で考えてほしいことがたくさんあります。
 中学入試の社会科や理科で時事的な問題が多く出されるのは、そうした姿勢を持っているかどうかを確認したいと、学校側が考えているためです。ここでは今年の入試に取り上げられそうな2023年の主なニュースをまとめました。6年生は時事問題の最終チェックに、5年生以下の皆さんはこの1年間の世の中の動きを知っておくために、ぜひご活用ください。 ※西暦のない日付はすべて2023年です。

理科的なニュース

1NEWS CHECK 日本人宇宙飛行士の話題

ベテランの2人がISSに滞在

 近年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の日本人宇宙飛行士は毎年のように国際宇宙ステーション(ISS)に行き、長期滞在しています。

 2022年10月7日から2023年3月11日までは若田光一宇宙飛行士が長期滞在しました。この時点で59歳と、歴代の日本人宇宙飛行士のなかでは最高齢での宇宙飛行でした。若田宇宙飛行士にとって、宇宙飛行はこれで5回目でしたが、今回初めて1月20〜21日と2月2〜3日の2度にわたって船外活動を行いました(この項はすべて日本時間)。宇宙滞在日数は累計で504日余りとなり、日本人宇宙飛行士では最長です。

 続いて、8月27日にISSに到着した古川聡宇宙飛行士も、約半年間の予定で滞在中です。古川宇宙飛行士の宇宙飛行は今回が2回目で、若田宇宙飛行士と同様、59歳でのチャレンジとなりました。古川宇宙飛行士はISSにある日本の宇宙実験棟「きぼう」で、生命科学や物質・物理科学などの実験を行っています。そのコンセプトは「宇宙でしか見つけられない答えが、あるから。」です。

新たな日本人宇宙飛行士候補者が誕生

 JAXAは2021年12月から2022年3月にかけて、宇宙飛行士候補者を募集しました。今回の最大の特徴は応募条件が緩和されたことで、身長が「158㎝以上」から「149.5㎝以上」になって女性が応募しやすくなったほか、学歴も初めて不問とされました。

 2023年2月28日には4127人もの応募者から選ばれた候補者2人が発表されました。世界銀行上級防災専門官の諏訪理さん(当時46歳)と日本赤十字社医療センター外科医師の米田あゆさん(当時28歳)です。2人は約2年間の基礎訓練を経て、正式な宇宙飛行士として認定される予定です。宇宙飛行士候補者が選ばれたのは2009年以来14年ぶりです。

 アメリカでは近い将来、月に再び男女の宇宙飛行士を送る「アルテミス計画」を推進しています。日本もそれに協力して、月を回る宇宙ステーションの建設にかかわることになっています。諏訪さん、米田さんが月に降り立つことになる可能性も十分にあります。

補足しておくと

 過去には日本にも向井千秋さん、山崎直子さんという女性の宇宙飛行士がいましたが、現役の宇宙飛行士は男性しかいません。そんな状況のなかに飛び込んできたのが、28歳の女性医師の米田あゆさんが宇宙飛行士候補者に選抜されたというニュースです。医師出身者は向井さん、古川さん、金井宣茂さんに続いて4人目です。もう一人の諏訪理さんも専門分野は防災ということで、これまでの知識や経験を生かした活躍が期待されます。

2NEWS CHECK 月面探査機「SLIM」を打ち上げ

2024年1月20日に着陸の予定

 9月7日午前8時42分、H-ⅡAロケット47号機が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。このロケットにはJAXAの小型月着陸実証機「SLIM」とX線分光撮像衛星「XRISM」が搭載されており、打ち上げから約50分後までにそれぞれ目標の軌道に投入されました。

 このうち、特に注目されているのは将来の月や惑星の探査に必要なピンポイント着陸技術と、小型で軽い探査機システムの実現を目標とする「SLIM」です。従来の探査機は「降りやすいところに降りる」ものでしたが、「SLIM」は「降りたいところに降りる」ことをめざします。無事に成功すれば、将来は月よりも制約の厳しい惑星の望みの場所に自由に着陸できるようになることも期待されます。

 なお、「SLIM」の月面着陸について、JAXAは12月5日、2024年1月20日午前0時20分(日本時間)ごろの予定であると発表しました。

補足しておくと

 2022年までに月着陸に成功したのはアメリカ、ソビエト連邦(ソ連。現在のロシアなど)、中国の3か国でしたが、2023年8月、「チャンドラヤーン3号」を月の南極に着陸させたインドが4か国目になりました。月で硫黄を発見するなどの成果を上げています。日本は「SLIM」で5か国目をめざします。

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