受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 麻布中学校

「2月1日、本番のその日まで学力は伸びます」は本当です

R.Iさん お子さんの名前 Oくん

 「1日は安全校にして、2日以降で勝負をしたら」
 「1日は絶対に麻布を受ける! 行きたい学校は自分で決める! 口を出さないでくれ」
 本番まであと1か月に迫った1月初旬の、母と子の会話です。
 合格力判定サピックスオープンでは80%の判定が出ていました。「学力は届いている、あとはSS特訓で過去問と相性を合わせていくだけだ」と見守り続けて数か月、なかなか相性が合わず、もう間に合わないのではないかと危機感が高まっていました。
 「せっかく合格力判定サピックスオープンで高い偏差値が取れているのに、過去問との相性が悪い学校を選ぶのはもったいない、戦略的じゃない」と何度か説得を試みました。それに対して息子は、「それは本末転倒。行きたい学校に自分を近づけるべきじゃないか」と猛反発。このことばで息子の意志がここまで堅かったのかと、はっとしました。以前、サピックスの保護者会でも、先生からこのことばをお聞きしたことを思い出しました。
 先生方は子どもたちが初志貫徹できるよう、最後まで鼓舞してくださっていたそうです。そしてSS特訓最終日の1月29日。席次が校舎の前年度合格人数ぎりぎりに滑り込み、なんとかなるかもという思いを息子と共有できました。本番3日前のことです。
 麻布中の受験前日、先生から激励のお電話を頂き、当日は胸にサピックスVバッジをつけて、堂々と向かいました。受験後、「どうだった」と聞くことがはばかられて「お疲れさま」としか言えませんでした。でも、本人が上機嫌で、お弁当もきれいに完食していたので、とりあえずほっとしたのを覚えています。結果はどうあれ、本人が悔いなく全力を出し切れた様子が伝わってきたからです。
 本人の麻布への思いは相当なもので、「もしだめだったら浪人する」と言うほどでした(大学受験と違って浪人はできないと説明するのにひと苦労でした)。
 サピックスの先生方への信頼もとても厚く、家庭教師などは一切拒否し、「サピックスの先生以外には教わらない」と徹底していました。
 麻布への熱くぶれない思いと、サピックスの先生方への絶対的な信頼、勝因はこの2点に尽きると思います。
 先生方が、受験直前や真っ最中のナイーブな時期に、12歳の子どもたちの心が壊れないように細心の注意を払って最大のケアをしてくださっていたことも受験後に知りました。心から感謝いたします。
 これから受験を迎える皆さま。「2月1日、本番のその日まで学力は伸びます」は本当です。特に最後の1か月、平常授業、土曜志望校別特訓、SS特訓と並行して埼玉、千葉から始まる受験本番。非常に濃い1か月で、本番を経験してさらに伸びていきます。きっと1日の受験の最中も伸び続けています。皆さまの健闘を心からお祈りいたします。

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