受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 麻布中学校

成長

E.Iさん お子さんの名前 Jくん

 麻布中を志望校にしたのは、6年生の5月末ごろ、サピックスの保護者個別面談で、先生から受験を勧められたことがきっかけでした。制服がなく自由な校風だと知って、息子はすぐにその気になりました。
 とはいえ、息子は、こつこつ毎日やること、暗記・記述が嫌いな子。好き嫌いも激しく、授業も関心があれば積極的に参加するものの、ないときはあらぬ方向を眺めているだけ。当然、成績にも波があって、ミスや穴も多く、クラスの昇降を繰り返している状況でした。親としては、本当に大丈夫か、1行の記述ですらスルーする息子が、記述だらけの麻布の問題に太刀打ちできるのかと不安でしたが、「前期は基礎力と苦手克服」という先生のことばを信じて、「基礎力トレーニング」をはじめ、漢字や暗記を毎日やったかどうかを厳しくチェックしました。すると、いつもテストで算数の小問や漢字で失点していたのが徐々に減り、成績の波が小さくなってきました。夏には、公民を最初から見直し、データバンクや年号も繰り返して定着させました(大変でしたが、これが後で効いてきたと思います)。しかし、夏は日程も内容も本当にハードで、ストレスをためた息子は塾の帰りにこっそり寄り道をしたり、気晴らしと称してインターネットをやり過ぎたりして勉強に身が入らなくなり、夏の終わりのテストでクラス落ち。焦りも手伝い、親子で衝突が繰り返されて大変な時期でした。
 潮目が変わったのは10月ごろでした。麻布の文化祭に行き、本物の麻布生を見て刺激されたのがよかったのか、自分から朝早く起きて、「基礎力トレーニング」や漢字、理科や社会の知識問題をこなす時間をつくり、学校から帰った後は過去問やSS特訓の復習に充てるようになりました。記述も、模試で得点できていないとわかって前向きに取り組むようになりました。
 親としてはリズムを崩さないよう、スケジュール管理を密にし、息子のやる気がないときには競争して問題を解くなどして、モチベーションを保つことを心がけていました。成績も順調に上がり、合格可能性も80%を取って絶好調でしたが、12月半ばに大きく体調を崩し、塾に1週間以上通えず、勉強のリズムも乱れてしまいました。しかし、先生方から遅れをどう取り返すか、冬期講習や正月特訓の取り組み方などを詳しくアドバイスしていただいたので、親子共に落ち着いて乗り越えることができました。
 直前期は、模試の結果や、埼玉入試の合格でゆるみがちな息子を戒めるのが大変でしたが、解き直しや苦手分野に黙々と取り組む姿や、記述欄にびっしり書かれた解答用紙を見て、1年間での成長をしみじみと感じました。この成長こそが息子にとっての大きな収穫だと思い、とにかく自分の力を思う存分ぶつけてきてほしいという心境で本番を迎えました。
 無事に合格を頂き、ほっとしています。息子には、あこがれの麻布でさらに大きく成長してほしいと願っています。息子に麻布を薦め、大きく育ててくださったサピックスの先生方、本当にありがとうございました。

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