受験三種の神器は、「基礎力トレーニング」、デイリーチェック、「コアプラス」とその継続であることに間違いはないです。しかし、わが家では理想に反し、さまざまな要因により、長男の三種の誘惑はゲーム・動画・漫画となっていました。この誘惑を断ち切らせるため、朝起きる前に三種を隠し、勉強後の褒美として小出しに出す（３回に１回ほど親が隠した場所を忘れる）ことを繰り返す毎日でした。大事な時期に、最悪の三種を与えてしまったことには後悔の連続でした。
　あるときから息子は勉強の息抜きに動画編集を始めたり、ゲームを禁止されていても問題ないように自動化するプログラムを始めたり、難解なライトノベルを全28巻速読で読み切ったり、感心するくらいに休憩がレベルアップ？します。誘惑を断ち切ることが難しかった息子ですが、「麻布でIT起業する仲間を見つけるために勉強する！ 過去問解いたら１００円を貯金箱（愛称はAzabutaちゃん）に入れ、将来PCを自分で買う！」「理科・社会・算数のあやふやな分野は動画検索で即座に確認し、映像で記憶する」「渋谷幕張中の文学史、慣用句、麻布中の物理・化学・生物・地理・歴史の雑学などは休憩中の漫画から吸収」など彼の三種は彼なりの神器として（親の想定外の光り方で）輝き始めました。
　当初、算数対決でも私とぎりぎりの勝負をしていた息子が、知らないうちに精度、スピードでも完全に私を圧倒するようになり、連立方程式を使っても四苦八苦している私を尻目にあおってくるまでに成長。最上位コースになれたときは、いつも家族４人で「αの舞」を踊って大喜びしていましたが、６年生最後に最上位コースになれたときは、もう長男も次男も参加してくれず、家内と私の２人だけで踊りました。
　ご家族だけの三種の神器を探し続けてください。時期によっても変わり、正解はありません。サピックスで競い合う仲間、すばらしい教材とテスト、個性的な先生方がそのお手伝いをしてくれるはずです。