受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 麻布中学校

今思うこと

T.Yさん お子さんの名前 Eくん

 始まってみると本当にあっという間に終わってしまった本番。この数日間、数時間のために何年間サピックスに通い、日々いったいどれだけ勉強をし、子も親も多くのことをかけてきたのだろう、何とも複雑でことばでは言い表せません。試験当日の行きの電車の中で、今までに見たことのない表情で一点を見つめていた姿、振り返らず真っすぐ試験会場に入っていった姿、この背中は随分大きくなったけれど、12歳がここまでのものを背負って挑んでいくことに、あらためて成長を実感し、感動して涙が出ました。元気に試験を受けられたこと、ここまで成長させてもらったこと、いろいろな感謝の気持ちでいっぱいでした。
 息子の入室は3年生の9月。私自身もサピックスでお世話になり、中学受験をしましたが、とにかく自分の時代とはレベルが違うことに驚きました。「中学受験ガイド」についていた過去問を見て、「わが子も6年生になると、こんな問題に挑めるようになるのだろうか?」と漠然とした不安があったことを覚えています。とにかく、わが家の受験は穏やかではありませんでした。私自身が計画を立て事前準備を徹底し、前倒しで物事を片付けて安心したい性分だった故に、子どもの課題が順調に片付いていないことが自分のいら立ちや焦りとなり、日々の声掛けは、「あれが終わっていない」「これもやらないといけないんじゃないの?」「自覚がない!」 ばかり。毎日毎日、言い争い。言い方一つで子どもの態度は変わることはわかっているのに、上手に子どものモチベーションを上げる声掛けができない。そんな自分に子どものがんばりをつぶしているのは私だと自分を責め反省するも、また同じ日々の繰り返し。「やめる、やめない」で何時間も子どもと話し合うこともたびたび。ただ、今までの子どものがんばりを花咲かせてあげたい、この経験を途中であきらめた経験にして終わらせたくない、最後まで親の私もやり切る、一日一日を一生懸命つないでいけばいいという思いだけは、私は強く最後まで持っていたと思います。この受験で子どもは日々本当にたくさんの努力をし、我慢をし、緊張をし、悔しさ、いら立ちを経験し、本当に強くなりました。そして、最後に最高の笑顔も見ることができました。
 今後、本番に挑む方々にアドバイスがあるとすれば、後半は大量の課題から上手に取捨選択をする、先生が「必要」と言ったものに力を入れ、「やらなくていい」と言ったものはやらない勇気を持ち、あれこれ手をつけて迷走しない。やるべきことは子ども自身がいちばんよくわかっていると信じることも大切だと思います。走ったり止まったりの繰り返しの3年半でしたが、最後まで引っ張ってくださった先生方、校舎の皆さま、本当にありがとうございました。

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