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居眠り王子と呼ばれた2年間を振り返る
J.Fさん ●お子さんの名前 Tくん
4年生の冬のある日、偶然サピックスの授業動画を両親が見ました。歴史の授業では、才気煥発な生徒たちの発言を巧みにまとめながら着地点に誘導する講義が圧巻でした。名前しか知らなかったサピックスとは、こんなにもすばらしい授業が聞けるところなのだと、両親共に感動したのが始まりでした。
5年生が始まる直前の冬期講習を受けるべく、入室テストを受けてはみたものの、理科・社会は知らないことだらけで、500点満点中100点台と惨敗でした。信じられないほど低い合格最低点に救われ、入室がかなったときは本人もうれしそうでした。
下から2番目のクラスでのスタートでしたが、通塾中の同じ学校のお子さんに励まされ、嫌がらずに通い続けられたことはありがたかったです。
毎回持ち帰るテキストが予想以上にすばらしく、毎晩、父親と夜遅くまで復習する日々が始まりました。本人は最後の最後まで、一人では机に向かいませんでしたが、父親が楽しそうに教材を扱うので、しぶしぶ付き合わされていました。
毎回頂くシールがうれしいようで、入室後の初回の組分けテストで平均点が取れたことも自信につながりました。毎日の復習は父親の仕事終わりから始まるので、終わると日をまたいでしまうことが日常化しました。さらに、勉強後はオンラインゲームも必ずしてから就寝するという悪癖は、受験直前の1月半ばまで続きました。
当然の帰結ですが、小学校の授業中はもちろん、サピックスの授業中も居眠りが絶えなかったようです。先生から強く叱責され、本人が泣き出してしまったために、わざわざお詫びのお電話を頂き、恐縮したこともありました。そんな本人に付いたあだ名が「居眠り王子」。知らない女子から「あなたが居眠り王子なの」と言われ、喜んで帰ってくる能天気な愚息です。
通い始めて1年がたったころ、算数の偏差値が70近くなったことに引っ張られ、4教科平均も60超えが続き、当初の目標に近づいたと喜んでいました。ところが、好事魔多しとはよく言ったものです。父親が体調を崩し、ひと月半余りも寝たきり状態になってしまいました。
その間、まったく自宅学習をしなかったため、成績は当然大きく下がりましたが、本人はあまり気にしていない様子でした。夏休みに二人三脚が復活し、サピックスオープンでは4回を通じて60前後の偏差値に戻り、ぎりぎり第一志望校から合格を頂けました。
2年間のなかでいろいろありましたが、サピックスの教材と授業を信じて、最後までついていけたことが、すべてだと思います。本当にありがとうございました。
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