受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 開成中学校

自走できなきゃ、みっちり伴走

A.Hさん お子さんの名前 Sくん

 2月3日正午、入試中の本人を除く家族全員で開成中の合格を確認し、わが家の3回目にして最後の中学受験は無事終了しました。
 サピックスには、上のきょうだいも含めて、足掛け7年もお世話になりました。2周も受験の伴走を経験しているので、今回も「なんとかなるだろう」との甘い考えで入室テストを受けさせたところ、国語偏差値39、5点オーバーで、下から2番目のクラスになんとか入室という、衝撃の結果でした。しかし、衝撃を受けたのは周りだけで、本人は自分もサピックスに通えるのを楽しみに新4年生の2月を迎えました。
 親としては半年もすれば適正クラスに上がれるだろうと思っていたところ、数週間でコロナ禍による一斉休校で、サピックスでも対面授業もマンスリーテストによるクラス昇降もなくなりました。唯一の収穫は、私が初めてサピックスの教材に向き合えたことです。
 今思えば、上の2人は完全な自走タイプ。健康管理やスケジュール管理はしたものの、勉強の中身には一切触れませんでした。ところが、3番目は根っからの末っ子気質。物心がついたときには、頼まずとも周りからあれこれ世話を焼かれ、とても自走できる環境ではありませんでした。
 言い訳はこれくらいにして、息子は国語がネックでしばらく下位クラスのままでした。「幼いから? 本を読まないから?」とも思いましたが、 日常会話は成り立つし、ことばの綾も嫌味も瞬時に理解するのに不思議でたまらず、サピックスに相談しました。このときの先生が下位コースだけではなく上位コースも担当されていたため、息子の課題や上位コースの子でも解けない問題などを具体的に教えてくださいました。夏の組分けテストでようやく中位クラスに上がりましたが、この先生の授業を受けられなくなるのが少し残念なほどでした。
 4年生の夏から5年生の冬までは、真ん中とその上あたりのコースを行ったり来たり、たまに上位コース入り。6年生になり、ようやく上位コースの常連になり、たまに最上位、たまにそこから外れることがありました。
 6年生になっても相変わらず国語が足を引っ張り続けました。算数の偏差値の半分しかないことも。物語文にせよ説明文にせよ、少し複雑な文章の読解がまるでだめでした。早生まれで幼い末っ子には高校受験のほうが向いているのではないかと何度も思いましたが、中高一貫校で青春を謳歌している上の子たちを見て、また何よりも、成績が良くなくてクラスダウンしても、サピックスでの勉強を苦とせず楽しんでいる息子を見て、自走を促すのはあきらめて、みっちり伴走しようと決めました。
 そう決めたものの、1回目の開成の学校別サピックスオープンでの合格可能性は30%。もう一つ受けた2月1日校の合格可能性は80%。開成受験には迷いがありました。
 しかし、わが家の3人が3人ともにたいへんお世話になった国語の先生に、「開成の記述に向いている。チャレンジする価値がある」と背中を押され、同じくお世話になった算数の先生にも、「開成の算数なら、間違いなくいける」と言っていただき、覚悟を決めることができました。
 1月はとにかく開成対策に全振りし、「二月の勝者」になれました。最大限の感謝を込めて、この体験記に代えさせていただきます。

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