受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 開成中学校

信じる心

Y.Gさん お子さんの名前 Hくん

 コースの乱高下を繰り返しつつも上位に安定したと思い始めましたが、6年生の6月のマンスリーテストで成績が落ち、夏期講習前の組分けテストでさらに転落。息子はここぞというときに何かしでかすので予想範囲内でしたが、かなりきつい坂となりました。忙しい学校行事、「サピックスに通っているなら開成だろ?」という学校の友だちからのプレッシャー、増える勉強量。まともにすべてを受け止めてしまい、不安の日々を送っていました。
 そんな途方に暮れているときに、息子が信頼している先生からお電話を頂きました。「一喜一憂しないこと。われわれを信じてください」ということばに救われ、すがる気持ちで一生懸命に課題と向き合いますが、なかなか成績にはつながりません。サピックスオープンの結果も声を上げるほどでしたが、「失った自信を取り戻せば大丈夫!!」と一喝され、迷走、暴走する私たち親子を力強く支えてくださいました。
 そのころ、11月の保護者会があり、「どしっと構える!」という室長のことばがありました。面談では「こんな状況でも強い心を持つことが大切!」というお話を頂き、もうすべてを受け止めようと決めました。そして、その月のマンスリーテストで元のブロックに戻ることができました。
 こつこつと積み重ねた勉強の成果が冬期講習・正月特訓で表れて、息子は自信をつけていきました。しかし、開成の入試の前日、お昼ごはんを食べながら息子は急に泣き始め、話すこともできずに筆談をするほどでした。「なんでまた、こんなことに!?」と動揺しましたが、心を切り替えることができ、息子を愛情で受け止められました。その後、激励のお電話を頂くと、笑顔が戻り、別人と思えるほどに変化した顔つきを見て、「もう、大丈夫だ」と安心しました。
 開成受験当日は、「今日ですべてが決まってしまう」と、またもや恐怖感に襲われましたが、母親の持つ負の何かは子どもにダイレクトに伝わっていくと痛いほど体感しましたので、不安を祈りに変えました。プラス思考のかけらもない私が、「これでだめなら悔いはなし」と思うまでの心の状態にシフトできたのは先生方のおかげです。快晴のなか、グラウンドで試験終了のチャイムを聞いたとき、感謝するばかりでした。
 この受験を通し、心の強さ、ものの考え方、人を思う気持ちを親子で学ばせていただき、そのような先生方のなかで、一つの子育ての終了を迎えられたことが何よりの喜びです。
 夢の開成合格はもちろんのこと、なかなか結果につながらなくても努力を続けた後半戦の経験は、息子の礎となるでしょう。そして、その感謝を少しでも表現できるような人生を見つけてほしいと思います。宝物のような日々を本当にありがとうございました。

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