受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 開成中学校

「やれるところまでやってみよう」~呪文のように繰り返したことば~

V.Aさん お子さんの名前 Kくん

 新型コロナウイルス感染症が小学校の行事をはじめ、志望校の説明会、文化祭の見学などに及ぼした影響は計り知れません。今までとは違う状況下で、最後まで親子ともども支えてくださった先生方に感謝を申し上げます。また、最後までがんばった息子に、最大限のねぎらいを送りたいと思います。
 サピックスの入室テストを受けたのは新4年生の2月でした。最寄りの校舎は募集停止だったため、少し遠い校舎でのスタートとなる予定でした。しかし、緊急事態宣言が発令され、遠い校舎へは公共機関を使ううえ、密な空間になると通塾をあきらめ、最寄りの校舎からの再募集連絡を待つことにしました。連絡が来たのは6月後半で、7月の夏期講習からの受講でした。長い間、この連絡を待っていたので、入室テストの案内が来ただけなのに親子でとても喜んだことを今でも覚えております。
 そもそも息子は幼少期のころから体が弱く、定期健診も含めて月に数回病院に通院しなければならなかったくらいでしたので、サピックスに無事ついて行けるかわかりませんでした。しかし、本人の意志が強かったことと、体が弱くあきらめたことが多々あるなかで、勉強なら本来の自尊感情を取り戻せるかもしれないと、挑戦してみることにしました。サピックスへの入室は、通常3年生の11月と言われ、希望の校舎からスムーズなスタートを切ります。また、中学受験するために1年生から準備している方もいるのを知り、がくぜんとしました。この一件で、中学受験をサポートするうえで親として圧倒的に受験の情報や知識が足りないと痛感し、出遅れないようにいつも情報収集を心がけるようになりました。とはいえ、SNSで発信されている情報には、すばらしい効率的なサポートをされている方々が多く、それを読むと「息子に対してあまりにも不十分な自分」に、落ち込むことがかなりありました。そんなときは「自分のやれる範囲で、できるところまでやってみよう」と気持ちを切り替えつつ、サピックスの先生方に相談しておりました。やはり、わが子をいちばん近くで見ている先生方の力強いアドバイスに勝るものはありませんでした。私も、最初は「本当にこの先生の言うことで大丈夫かな?」と心配しておりましたが、先生から頂くアドバイスの背景に見える豊富な経験が、親の受験に対する不安を大きな安心、そして先生への信頼に変えていきました。
 息子は6年生の夏期講習で体調を崩し、SS特訓、過去問対策と、非常にしんどい期間を長く過ごすことになりました。体力的に限界を感じ、何度やめようと思ったことでしょう。そんなときは気負わずに「やれるところまでやろう」と呪文のように唱え、先生方から頂いたアドバイスを胸に息子を励ましてきました。「なんとかなります。大丈夫です」これは校舎責任者の先生から言われたことばです。皆さまも、有意義な受験期間を過ごせますように願っております。

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