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最新中学入試情報
進学校 ▶ 駒場東邦中学校
最後まであきらめない
N.Kさん ●お子さんの名前 Sくん
2月2日午前9時、合否を確認する最後のボタンを押せず、時間が過ぎていきました。ようやく心を決めてボタンを押すとピンクの桜が…。一生忘れることのできない瞬間となりました。2月の結果は第一志望校の駒場東邦中のみ合格。息子の「駒東に絶対合格するんだ」という誰よりも強い、執念にも似た気持ちが、このような結果を生んだのだと思います。
息子は新3年生からサピックスに入室しました。入室当初はいちばん下のクラスでした。息子にとって初めての学校訪問が駒東の学園祭でした。息子の目にはお兄さんたちの楽しそうにしている姿がきらきらと映ったようです。今思うと、あのときから息子の頭のなかには駒東しかなかったんだと思います。
息子は5年生後半から算数の成績が落ちていきました。6年生になってわかったのですが、息子は算数の問題を暗記で解き、本質的な理解をしていなかったのです。さらに息子の反抗期も重なり、長く暗いトンネルに入り込み、親子共に苦しいときを過ごしました。駒東の学校別サピックスオープンでは算数が過去最低点でほぼ最下位という結果に終わり、さすがに私の心も折れそうになりました。いつまでたっても苦手な算数に立ち向かおうとしない息子と、何度も衝突を繰り返しました。そんなとき、いつもサピックスの先生方にご相談しました。時間を取ってくださり、息子に直接話していただいたこともありました。しかしながら、SS特訓の駒東コースでの席次は、相変わらず最下位や後ろから3番目以内が息子の定位置でした。
成績が上向くことはなく、1月の受験に突入しました。幸いにも合格しました。しかし、これが息子には逆に安心材料となり、なんとなくふわふわとしたゆるい日が続いたので、「このままではまずい」と思い、予定していなかった少しレベルの高い学校へのチャレンジをしました。案の定、不合格となりましたが、このことが彼のやる気にやっと火をつけました。そこからの息子はまったくの別人で、わからない問題を解けるようにすることに全力で取り組んでいました。今までわからないことを横に置いて避けてきた息子が、みずからその壁を乗り越えようと、必死に問題に食らいつく姿を見て、合否はどうであれ、中学受験をさせて良かったとあらためて思いました。
2月1日は、いつもと変わらず一度だけ軽くこちらを振り返り、でも確かな足取りで校舎に吸い込まれていきました。試験後、息子は「算数ができた!」とひと言。子どもの可能性は無限であり、親が限界を決めてしまってはいけないと思いました。最後まであきらめずにやり抜き、みずからの努力で合格をつかみ取ったこの経験は、息子の大切な財産となりました。
最後に、これまで息子をご指導くださったサピックスの先生方、スタッフの皆さま、特に親子でたいへんお世話になった算数の先生に、心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
2023年度中学入試 受験体験記 |
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