受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 甲陽学院中学校

サピックスと野球の二刀流体験記

T.Yさん お子さんの名前 Yくん

 某実験サバイバル漫画の影響を受け、「理科の授業が受けたい」と言っていた長男に、妻がサピックスの情報を持ってきたのは1年生のとき。私自身が体験した中学受験(関西)は4年生からの通塾だったので、サピックスの話を聞いたときは、「早いんじゃないか。サピックスってのも知らないし」というのが最初の印象でした。しかし、最寄りの教室で完結することを知り、何よりも体験授業を楽しんできた息子を見て、通塾を始めました。
 わが家の大変さのピークは少年野球との二刀流をしていた5年生でした。所属していたチームは、土日の4分の3が練習・試合でしたので、サピックスがない平日と土曜日の午前中に家庭学習をこなし、週末は野球に行くという1週間は体力的にも精神的にもつらく、野球と通塾の二刀流をいつまで続けるのかを、本物の二刀流の大谷選手以上にわが家では議論し続けました。本人のがんばりもあり、5年生までは大きく成績を下げずにきたものの、6年生目前の2月に本人も親も、「このまま二刀流を継続することは難しい」と思い、前向きに受験に専念する方針としました。野球部の仲間たちも、子の決断をこころよく受け入れて受験も応援してくれ、彼らにはとても感謝しています。
 受験一本に絞り、このまま成績も上向きに!と思いきや、むしろ成績は下降線をたどりました。野球を休んだことでめりはりがなくなってしまい、本人も親も油断したのが原因でした。6月には偏差値が50を割り、志望校を変えざるを得ないかと思っていたのですが、先生方のアドバイスと本人の「甲陽学院中に行きたい」という強い意志を確認して目標は明確となり、社会の受講を終了して、授業の復習に重点を置く態勢で夏期講習を迎えました。夏期講習は授業と、授業ごとにあるテストの復習をこなすことができれば、着実に力がつくようになっていました。たとえ成績が落ちてきたとしても、ほかの教材は不要と断言できます。
 過去問最初の算数の点数は21点で心配しましたが、毎週やっていくと、ひと月ごとに取れる点数は10点ずつ上がっていきました。2回目以降のサピックスオープンでの偏差値も60まで回復し、甲陽の合格可能性も80%を出せるようになり、年末を迎えました。12月下旬に過去問が主体となってからは、受験日から逆算した過去問スケジュールを作ってゴール設定をしたところ、危機感を持てたようです。年明けからは毎日5教科分の過去問をこなしていき、苦手だった国語の点数が最後の10日間で上がったことで、自信をつけて入試本番に臨めました。入試のときは腕時計を忘れたり、深夜に鼻血を出したりといろいろあったのですが、本番の国語で解いたことのある問題文が出題され、本人はかなり楽な気分で受験できたようでした。掲示板で受験番号を見つけた息子の表情を見たときの気持ちは、1か月以上たった今思い出しても、感慨深い最高の瞬間です。
 次男がサピックスに通っており、まだまだお世話になりますが、先生方をはじめスタッフの皆さまに感謝を申し上げて、私の体験記とさせていただきます。ありがとうございました。

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