受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 駒場東邦中学校

親の役目は「日々のルーティン」の確認

S.Wさん お子さんの名前 Oくん

 魅力的な授業をしていただいたサピックスの先生方に感謝申し上げます。私自身も中学受験経験者でありますが、「外してはいけないポイント」があると感じ、記させていただきます。
 中学受験の問題には独特の難しさがあり、特に6年生以降に親が解法を指導することは難しいです。そのなかで親がやるべきことは何か? それは勉強そのものよりも勉強「法」の指導です。家庭での勉強の「ルーティンの確認」だというのが私の実感です。
 わが家は5年生の夏休みまで、マンスリーテストや組分けテストの結果のみに注目していたため、クラスが次第に下がり始めました。そこで初めて、サピックスでは日々「何を教わっているのか」、それを受けて息子は「何をしているか」という日常のルーティンの確認をしました。
 その結果、せっかく大事なことを教わりながら、復習もせぬまま翌週のデイリーチェックを受け、当然のごとく低い点数を取る、ということを毎週繰り返しているとわかりました。
 中学受験は、学校や睡眠などけっして削れない時間を除いた残りの時間を、塾や家庭でいかに効率的に使い、それを積み重ねていくかだと思いますが、その貴重な時間を無駄に過ごしていたのです。
 そこで、「毎週のデイリーチェックでいい点数を取る」ことを目標としました。家で復習してから臨めば得点が上がり、サボると下がるという優秀なテストです。結果的に復習する癖がつき、次第にデイリーチェックだけでなく、定期テストの成績も上がりました。このような勉強法のチェックこそが、親の家庭での役割だと実感しました。
 しかし、6年生の冬休みに再び問題が発覚します。9月以降のSS特訓の内容を、ろくに復習していないことが判明したのです。デイリーチェックの復習は習慣になっていたものの、新しいカリキュラムのSS特訓をどうこなすかの確認ができていなかったのです。
 冬休みにやるべきことはいろいろありましたが、最優先課題としてSS特訓の復習をしました。新しいことに手を広げるより、 「着実に解ける問題を増やす」ことが、私自身の経験からも大事だと考えたからです。その結果、なんとか復習をやり遂げ、過去問等もこなして、合格につなげることができました。
 皆さんには、このような綱渡りをしていただきたくありません。新学期、春期講習や夏期講習など、授業のカリキュラムが変わるときこそ、「勉強のルーティン」を早い段階で確認してあげてください。その後の毎日が、意味あるものになるかならないかが決まる大事なポイントだと思います。
 最後に私見ですが、中学受験は人生序盤でのチャレンジの一つに過ぎません。さらに、受験当日の体調や睡眠時間、出題ジャンルの当たり外れなど、不確定要素だらけです。子どもに過度なプレッシャーを与えず、「受かればラッキー、そうでなくても未来がある!」と、大人へと成長する子どもたちにとって、いい経験だったと感じてもらう雰囲気づくりこそが、親の最大の役割だと切に感じます。

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