受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 武蔵中学校

息子の中学受験

K.Kさん お子さんの名前 Jくん

 息子は、幼いころから自分がおもしろいと思うことには、こちらも驚くほど熱中する子どもだった。1年生のころにはまったのは、画数の多い漢字を書くことや、写経、習字だった。手先も器用で、絵や工作も得意だった。そんな息子が3年生ごろからはまってしまったものに複雑系折り紙がある。工程が200以上もある折り紙に8時間以上も集中して、毎日折り込んでいる息子を見て、「この5%でもサピックスの勉強に向けてくれたら」と何度思ったことか。息子は5年生後半まで親の気持ちも意に介さず、大好きな複雑系折り紙にはまり、自分の敬愛する海外の折り紙作家の講演にYouTubeで聴き入ったり、60センチ平方の巨大折り紙を熱心に折ったりしていた。本棚には、折り紙の本が何十冊と並び、「折紙探偵団」の会員にもなった。
 6年生になり、折り紙を封印したときは、かなり気持ちが沈んだようだ。折り紙ロスに苦しみながら、気持ちが勉強に向くことを期待したが、やはり自分の興味があることにしか取り組まなかった。息子にはサピックスのスパイラル授業もあまり効果はないようだと悲観した。ただ、サピックスには友人の存在もあり、息子は最後までサピックスに通うことは嫌がらなかった。
 6年生の6月ごろには、私も無駄に気をもむことは非効率だと悟り、「彼の性格に合う形で興味を伸ばして成長してくれたらそれがいちばん」と思うようになった。そんななか、夏期講習前に学校見学に行って気に入った武蔵中の過去問に取り組んだところ、本人は楽しかったからもっとやりたいと言った。これが試験の相性というものなのだろうか。息子は武蔵の過去問は全教科おもしろいと言い、得意科目の算数以外でも、まるで問題と問答して鍛えられるかのように興味を育んでいった。9月からのSS特訓は他校舎での受講となったが、明るく前向きな表情で1月まで駆け抜けていった。
 冬期講習後には、苦手科目の国語はSS特訓の国語の単科講座を最上位クラスで終えるほど急伸した。気づいたら、武蔵以外の過去問にも対応できる力がついていた。本番の当日、「武蔵の入試は、最初の武蔵の授業だ」と息子に伝えたが、私の心のなかはすでに、武蔵への感謝の気持ちでいっぱいだった。武蔵の問題のおかげで、息子だけでなく家族も充実した6年生後半を過ごせた。また、SS特訓の受講先の校舎の先生方にも、とても熱心に温かくご指導いただき、サピックスの懐の深さを知った。最後に、サピックスに関わる方々と、息子の仲間や友人たち、武蔵の問題の数々に心から感謝したい。

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