受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 成城中学校

12年間のサピックス生活からの卒業

Y.Yさん お子さんの名前 Aくん

 私と4人の子どもたちとの中学受験は、長男の2年生11月から始まり、三男の受験で終わりました。長男が開成中に合格した際に、長男と私の間に達成感と絆が生まれた感覚があり、次男、長女、三男とも同じ経験がしたいという思いから、サピックスに12年間お世話になることとなりました。
 同じように育てたはずの4人の子どもたちでしたが、一人ひとりの性格が違うように、勉強への取り組み方、受け止め方もまったく違いました。特に人との競争が苦手だった三男に関しては、「テストで点数を取る」ということがなかなかできず、どうしてあげたらよいものかと悩みました。
 三男と一緒に勉強をしていて気づいたことは、ほかのきょうだいたちと比べて日本語の語彙が少ないこと、また当時、わが家にはテレビはあるものの、つけることがほとんどなかったので、耳にする日常会話や一般常識など、「日本語」の経験値が極めて低いということでした。
 国語力が低いと算数・理科の抽象的概念を自分なりに想像することがとても難しく、先生が話していることも理解できないので、授業もテストも「点数が取れないつまらない時間」となってしまっていました。私が三男の国語力を補わなければならないことに気づくまで、本当に三男にはつらい思いをさせてしまったと思います。
 すべての問題は国語力で解決できると気づいたものの、一朝一夕には結果が出ない国語は、6年生最後までていねいに勉強することとなりました。一方、「点数を取る」というゲームを楽しめるように、理科・社会、「基礎力トレーニング」を中心に、点数を取る練習も同時に始めました。算数に関しては、式を立てる前にスペースの真ん中に1本線を引くこと(これをわが家では「できる線」と言っています)を徹底しましたが、頑固な三男は私のことばをなかなか受け入れられず、その1本の線がかけるようになるまでに半年かかりました。頑固であることが不利に働いてしまうのが中学受験です。素直なお子さまは中学受験に強いです。
 私にとって中学受験は、4人の子どもたち一人ひとりと絆を育む大切な儀式のようなものでした。4人が4人とも第一志望校には合格しませんでしたが、どちらも説明会に足を運び、ご縁を頂きたいと心から願った学校に進学することができました。そして、進学してから実感することとなりますが、どの学校も「子どもを可愛がってくれる学校」でした。子どもたちが安心していろいろなことにチャレンジできるので、勉強、クラブ活動、生徒会活動など、毎日とても充実しているようです。
 子どもたちにとって初めての大きな挑戦であった中学受験。成功と失敗の両方を経験したことは、子どもたちの自信と今後の学びとなっています。
 子どもたちがサピックスを無事に卒業ができたこと、そして、最後まで4人の子どもたちを信じて応援してくださった担当の先生方に、心から感謝申し上げます。

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