息子は１年前、兄の高校入学に伴って帰国し、サピックスに入室しました。まずは道路の歩き方、電車の乗り方などから教え、校舎まで何度も一緒に行き来するところからスタートしました。現地での塾とサピックスとでは授業スタイル、テキスト、進度が違っていたので戸惑いもあったようですが、サピックスはテキストの内容も深く、授業もおもしろかったことから、あっという間に楽しく通うようになりました。
　しかし、自分だけ未習範囲があることがわかり、不安も増えていったようです。どこが自分だけ知らないのか、それすらわからず、テストでそこが丸々出てクラスを落としたこともありました。つらかったようですが、質問教室で教えてもらったり、先生から「サピックスのテキストは６年生で繰り返し復習するから大丈夫」と励ましてもらったりしながら、少しずつみんなに追いついていきました。
　勉強のスケジュール、やり方は本人に任せ、私は終わった課題が机の下に放り投げられているのを拾い上げ、丸付けやテキストの整理に専念。波に乗ってしまうとなかなか寝ないので、毎日早く寝るようにと促していました（これにより最後まで朝型の生活にはできず…）。
　こうして迎えた１回目の開成中の学校別サピックスオープン。好きじゃない＆苦手を公言していた国語で衝撃の偏差値を取り、相当落ち込んでいましたが、ここから彼は国語の先生のアドバイスを忠実に受け入れ、長文もじっくり読み込むようになったのです。それまで家庭学習は大好きな社会から始め、最後まで残るのは国語。せっかちのため、早く終わらせたい気持ちで、じっくりと考えて読み込むことをしてきませんでした。
　その後も変わらず国語は不安定でしたが、帰国生入試は国語・算数受験だったので、12月からは国語・算数中心シフトに変え、テストやＳＳ特訓の見直しをやりました。帰国生入試は国語次第だと思っていたので、「だめでも、得意な社会でカバーできる一般入試でなんとかなる」と息子と自分に言い聞かせ、励まし続けました。そんな不安をよそに帰国生入試は全勝。国語もきちんと取れていたようです。
　結果が出なくても、国語の読み込みをあきらめずに最後まで続けてきたこと、これが大きかったと思います。息子と一緒に喜び、悩み、考え、そして時にはそっと見守るためにぐっと我慢し、そばで応援する日々。気が休まらず、早く終わってほしいと何度も思いましたが、今は受験を通じて多くを学び、二人三脚で（主人は海外赴任中のため）歩んだ毎日はとても充実していたと、晴れ晴れとした気持ちです。
　こんな日が迎えられたのも、息子のがんばりとサピックスの先生方のおかげです。先生方にはご尽力いただきましたこと、あらためて感謝申し上げます。