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進学校 ▶ 桐朋中学校
子の願い、親の迷い
M.Yさん ●お子さんの名前 Yくん
中学受験を決めたのは、本人に「私立の中学に行きたい」「難しい問題に挑みたい」という強い意志があったからです。
本人は現在、公立の小学校に通っていますが、クラス崩壊が起きて情緒が不安定になったり、騒がしくて授業がまともに受けられなかったりと、何かとストレスの多い日々だったようです。
そんな彼にとって、サピックスは、「中学受験のための勉強をするところ」であると同時に、「落ち着いた環境で安心して勉強ができるところ」でもありました。
6年生になると、友だちと遊ぶことはほとんどなくなりました。趣味やゲームからも遠ざかり、習い事についても、自分で「受験勉強に集中したいから」とやめる決断をしました。
家にいる時間のほぼすべてを費やしてサピックスの教材と向き合う姿を見て、親として「本当にこれでいいのだろうか、本人のためになっているのだろうか」と何度も自問自答しました。正直なところ、もしコロナ禍により外出自粛が呼び掛けられている状況でなければ、親のほうから「気晴らしに、出かけようよ」と誘っていたかもしれません。
そんな親の迷いとは裏腹に、本人はやる気を持ち続けていました。親のほうからは、勉強の仕方に口を挟むことはあっても、「もっと勉強しなさい」といった注意をすることは、ほとんどなかったように思います。
勉強の仕方については、「難しい問題を自力で解きたい」という気持ちとこだわりが強すぎて、一つの問題に何十分も時間をかけるということを、なかなかやめられなかったようです。
「10分間、向き合ってもわからなかったら、質問教室に持って行きなさい」と勧めても、「もうちょっとで解けそうだから」と延ばし延ばしにすることがままありました。
このあたりを改善できていればと思う半面、このような粘り強さこそが本人の強みでもあったのかもしれないと、今では思います。
受験校の決定については、1月の下旬ぎりぎりまで、何度も先生に相談するほど悩みました。それには、理由が二つありました。
一つ目は、各種テストの出来にムラがあったこと。特に、苦手な国語の物語文読解の分をほかでどうカバーするか、といった問題です。
二つ目は、本人のめざす学校のレベルがとても高かったこと。クラスは真ん中よりも上という状況で、本人の第一・第二志望はトップクラスの中学、第三志望は桐朋中(2月2日の第2回入試)でした。親としては、1日はトップ校ではなく桐朋(第1回入試)を受けてほしいというのが本音でした。
相談に相談を重ねて、「1月校で上位クラスに合格できたら、2月校は本人の希望どおりでいこう」という指針が決まり、親としても覚悟を決めることができました。
結果的に、1月校で合格をもぎ取り、第三志望校も合格しましたが、第一志望校・第二志望校は惜しくも不合格となりました。しかし、それらの学校に全力で挑むことができたという経験は、何物にも代え難い大切な財産になったと思っています。
2023年度中学入試 受験体験記 |
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