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最新中学入試情報
進学校 ▶ 広尾学園中学校
見守ってくださった皆さまへ
T.Sさん ●お子さんの名前 Nさん
「お前、塾には行くのに、なんで学校に来ないの?」
6年生になり、登校した娘に、クラスのお友だちが投げ掛けたことばです。成長期に偏頭痛に悩むなど、体のアンバランスな変化に苦しむ毎日を送りながらも、塾だけは休まなかった娘が、急に塾にも学校にも行かなくなりました。最初は、娘に何が起こったのかわからず、食事もとらず、起き上がることもできなくなったわが子を見て、悩み続ける日々でした。受験も塾もやめて、体を治すことを考えてほしいと娘に語り続けると、ようやく、学校で何が起こったのか話してくれました。それは、サピックスに通う、同じクラスのお友だちが、娘が登校できなかった日も塾に行っていたことを、クラスのみんなに話していた、というものでした。何度も繰り返されたお友だちの行動に深く傷ついた娘は、模試を受けるのをやめ、塾に行くのを拒み、自分の未来さえ閉ざそうとしていました。
娘から聞いた話を、塾の先生にお伝えしたところ、サピックスをやめることになっても、公立に行くより、心のケアに手厚い私立を受験させたほうがよい、と勧められました。先生からそのことばを頂き、もう一度、娘に未来を考える機会をつくってほしいと、さまざまな学校の見学会に連れていきました。ちょうど、広尾学園中で体験授業を受ける機会があり、グループワークを行ったメンバーが、偶然にも全員サピックスの卒業生でした。初めて会ったにもかかわらず、お互い同じ塾に通った子どもたちなので、さまざまな話をしたようです。そのなかの1人の男の子が、学校でいじめを受け、登校しなくなったことを話してくれたそうです。でも彼は、なぜこんな理不尽な理由で、自分が我慢しなければならないのかと憤慨し、いやがらせをした子に反撃ののろしを上げ、立ち向かったそうです。この話は、娘の気持ちを変える大きなきっかけとなりました。この体験授業後、娘は少しずつ前を向き始めました。いろいろな学校を見学し、自分の志望校を決め、「夏期講習を受ける」と言い出したのです。
そんな些細なことで?と思われるかもしれません。しかし、成長期の子どもの体と心はとても繊細で、何気ないことばで傷つき、壊れてしまいます。でも、ちょっとしたきっかけで、立ち直り、前を向くことも事実です。
冒頭のことばを、学校のお友だちに投げ掛けられたとき、娘は体が震えるほどショックを受けたそうです。おそらく、そのお友だちは、娘と仲の良い子だったので、「学校にも来いよ」という気持ちだったのでしょう。
どうか、子どもたちの少しの変化も見逃さないよう、注意してあげてください。受験という、とてつもなく厚い壁に立ち向かっているのです。そして、「いつもあなたの味方でいるよ」と伝えてあげてください。「先生が、最後まで自分を心配して見守ってくれていた」と娘は話していました。一人では越えられない壁でも、見守ってくれる先生と、自分を受け止めてくれる親がいるのだと気づかせてあげるだけで、困難を乗り越える力を出してくれるはずです。
最後に、これまで見守ってくださった先生をはじめ、娘の様子を気遣いながら、声を掛けてくださった先生方、遅い時間にお電話しても、テキストを用意してくださった受付の皆さまに、心から御礼を申し上げます。おかげさまで、第一志望の広尾学園中の合格切符を手に入れることができました。本当に、ありがとうございました。
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