受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 東邦大学付属東邦中学校

厳しくも温かい塾

S.Yさん お子さんの名前 Mさん

 コロナ禍で、先生方と直接お会いできたのは保護者個別面談と6年生後期の保護者会のみでしたが、4年生から保護者会動画を視聴していたため、前から何度もお会いしていたような感覚になりました。この保護者会動画に、私たちは何度も助けてもらいました。
 サピックスの学びはピアノのレッスンに似ています。教室で学び、家で反復してできるようにする。どんなにすばらしいことを教えてもらっても、そのままでは自分のものにはならない。地道にこつこつ復習して、自分の力でできるようにする。シンプルですが、なかなか継続するのは難しいことです。そんなとき、先生から全体的に教科別にやるべきことを教えてくれる動画は、たいへん参考になりました。先生のお話もおもしろくて、気づくと時間がたっていたこともありました。
 また、クラス落ちをしたときも先生から電話がかかってきました。保護者会前に提出した質問にも回答していただき、あまりにも個人的な質問には電話で返答を頂きました。先生方は直接お会いできなくても心強い存在でした。
 娘が東邦大付東邦中を第一志望に決めたきっかけは、学校見学会でした。緑豊かな広い校内で楽しそうに運動している先輩たちを見て、「ここで学びたい」と思ったそうです。私たちも同じ気持ちでした。12月の推薦入試は落ちても仕方がない。1月がある。そんな気持ちでは到底受からない。絶対に合格するつもりでがんばろうと誓った9月。しかし、大きな学校行事があり、早朝練習に行き、土日も塾に通い、過去問をこなす毎日は想像以上に大変でした。私は心のなかで、12月がだめだったとき、何と声を掛けようか。そんなことばかり頭でぐるぐると考えていました。
 そんな私とは逆で、娘は絶対に合格するという強い気持ちで机に向かっていました。私も腹をくくり、今まで授業で解いた理科の「コアプラス」をすべて消しゴムで消し、コピーをし、解答もまとめてコピーをして、短時間で効率良く取り組めるようにしました。得意な社会のなかで唯一苦手な公民も、配布された単語カードを使用し、繰り返しました。
 入試2日前の最後のマンスリーテスト。結果は散々。そんなとき、「受けた試験のことは忘れる」という先生のことばを思い出すことで、気持ちを切り替えました。過去問の国語の文章を読み直し、算数の分析ノートを見直し、理科の「コアプラス」を解き続け、社会のデータバンクを見直しました。また、塾で先生から直接激励していただき、娘の励みになりました。当日、入試が終わった後の娘の晴れやかな顔を見て、挑戦して本当によかったと思いました。いつの間にか娘は自分で考え、自分で学び、不安を乗り越える力をつけていました。そんな娘を見て、中学受験をしてよかったと思いました。
 その翌日、桜色の合格画面を見たときの喜びは、今でも覚えています。娘も泣いて喜んでいました。年度途中での卒塾となりましたが、先生方は笑顔で祝福してくださいました。厳しくも温かい塾でした。サピックスで習得したみずから学ぶ力を持って、新生活もがんばってもらいたいです。お世話になりました。

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