受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 神戸大学附属中等教育学校

思春期女子の中学受験 〜親としてできること〜

Y.Mさん お子さんの名前 Hさん

 第一志望校の合格発表の日。第二志望校の招集日と重なり、落ち着かない気持ちで、娘に「結果がどうであれ、よくやってきたよ」と話しました。合格発表は、父親が自宅で確認しました。娘と私は、第二志望校の入学者の列に並び、「あと3分で合格発表時間だよ」と小声で話しながら、受付を済ませました。講堂で席に着こうとしたとき、父親からメール。私は、何度か確認し、娘に合格を告げました。私が、娘より先に感極まり泣いてしまい、娘から「お母さん大丈夫? しっかりして、今からすることは?」と。きっと、娘は心のなかではとてもうれしかったと思いますが、私の様子を目の当たりにし、冷静にならざるを得なかったのでしょう。今思えば、合格を頂き、叫びたいほどうれしかったと思います。
 娘と合格を勝ち取るまでの受験勉強の道のりは平坦ではありませんでした。わが家は共働き。中学受験を乗り切るために、私は「娘の精神面と健康面のサポート・教材整理やスケジュール管理」、父親は「娘の送迎サポート」と役割分担。もちろん、初めは勉強面のサポートもすると意気込んでいましたが、サピックスの先生にすべてお任せすることにしました。しかし、高学年になり娘が反発するようになりました。私は一人泣きながら、「できることは何か?」と悩むこともありました。結果的にたどり着いた先は、「娘とのつながり」でした。そのために毎日手紙を書こうと決心しました。これは受験勉強とかけ離れていることのように感じますが、心の安定は勉強への意欲を出す近道と信じ、受験結果が出るまで続けました。今ではその記録は私の宝物です。
 さらに、私にはもう一つ決めたことがありました。6年生になると塾の勉強は徐々に難しくなり、ハードな時期を迎えました。娘は、「肩がこる」「頭が痛い」「しんどい」「休みたい」などと、訴えることが多くなりました。気持ちをあまり表現しない娘だからこそ、相当つらかったと思います。私は、少しでも疲れをとってもらおうと、肩マッサージをしようと決めました。つらい受験勉強のなかで娘が気分良く眠りにつけるよう、心がけました。
 娘にできること、私にできることを地道に続け、思春期の娘とある程度の距離を保ちながら、娘を支え、それぞれの立場で成長することができたと思います。受験が終わり、娘に「この受験で得られたことは何かある?」と尋ねたところ、クールに「中学に通ってみないとわからないよ」と返されました。そうなのかもしれません。どこまでも冷静で私とは違う存在なのだ、大人に近づいている一面を感じました。さらに受験をしなければ、これほどまでに娘のことを考え、寄り添うことはなかったと思います。これからも娘には、多くのことを学び続け、たくましく成長してほしいです。
 最後に、サピックスの先生に支えられて合格を手に入れ、親子共々たいへん感謝しております。本当にありがとうございました。

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