受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 渋谷教育学園幕張中学校

信じること

W.Oさん お子さんの名前 Sくん

 集中力が低く、競争心の少ないのんびり屋の息子は「中学受験に向いていない」と思いつつ、家族会議で「高校受験よりましだろう」という結論になり、中学受験に挑むことをみんなで決意したのは、息子が2年生のときでした。実績のあるサピックスの力を借りることに決め、翌年の3月に入室テストを受けましたが、不合格でした。想定内とはいえ、しょんぼりした息子を見て、「なんとしても入室してほしい」と思い、算数と漢字の学習に2人で取り組み、4月に再び挑戦し、なんとか合格できました。
 3~4年生のうちは徐々に成績が向上し、5年生もだいたい上位コースにいましたが、6年生になると上位コースから落ちることが増え、偏差値も±10~15で激しく昇降していました。おそらく早生まれのため、抽象的な概念に移行した国語の内容に適応できていないのが原因でしょう。また、飽きっぽい性格で、新しいことには興味津々ですが、すぐ覚え、すぐ忘れることが多く、学力が伸び悩んでいました。サピックスのスパイラル授業のおかげで、知識のほうは少しずつ定着していきましたが、成績は相変わらず不安定でした。
 授業そのものはおもしろいらしく、特に理科と社会は帰宅の途中で授業の内容を楽しそうに話してくれました。ただし、家庭学習をみずから進んでやるタイプではないため、細かいスケジュールを組みました。算数の「基礎力トレーニング」、理科と社会および算数の前回の復習を怠らず、理科と社会の「コアプラス」「漢字の要」「言葉ナビ」にまめに取り組むこと、授業での小テストで高得点を取ることを目標としました。私は息子の小さな努力が実ることを願いながら見守りました。
 算数の難度が上がる6年生の途中で、算数の復習を後回しにする傾向がありましたが、志望校より偏差値の高い学校の過去問にも取り組むことで克服できました。過去問を解き終わるころには、珍しく「算数は楽しい」と口にしました。しかし、幼さのためか疲れからか、ミスは一向に減らず、全体の成績も不安定なままでした。
 不安に押しつぶされる毎日でしたが、私より本人のほうがずっと大変だということを自分に言い聞かせました。息子の校舎には第一志望の学校名のついたコースがなく、校舎を移るか悩んでいましたが、志望校より偏差値の高い学校もめざすことにしました。第一志望校は記述が多いことから、志望校を変更するか迷いましたが、先生に記述ができるようにすればいいと助言していただきました。また、「子どもが真面目にがんばっているから信じましょう」と励ましてくださいました。そこで、息子とサピックスを信じ、ご縁のある学校は必ずあると思うようにしました。
 受験の際に1校でも多く合格できるようにと、たくさん出願しましたが、子どもの疲労と志望校の対策をする時間が奪われることが心配でした。息子には「今までがんばってきた自分を信じて。あなたならできる」と声を掛けました。本人も最後まであきらめず、自分を信じることで、あこがれていた学校に合格できました。
 受験生の皆さんも、あきらめずに自分とサピックスを信じて勉強に励んでください。

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