受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 渋谷教育学園幕張中学校

合格への道

S.Tさん お子さんの名前 Mくん

 1月24日は、第一志望の渋谷幕張中・一次入試の合格発表でした。県立千葉中を受けた帰りの車中、番号を確認した息子は「番号がない」と…。一次で合格するだろうと高をくくっていたので、しばらく無言の時間が流れました。私は、こんなときにこそ何かことばを掛けなければと思うのですが、「二次があるから大丈夫だよ」という、ごく当たり前のことばしか掛けられませんでした。
 それから1週間、息子は本当によくがんばったと思います。そして、二次の合格をもらうまで、集中して駆け抜けました。きっと不安もあったと思いますが、いつもどおりに机に向かい、今、自分にできることに黙々と取り組んでいました。正直なところ、スイッチが入ったなと思ったのはそのときでした。
 塾に関するフォローは私の役目でした。テキストの進め方やプリント整理をはじめ、苦手かなと思われるところは再度解かせてみたり、インターネットで調べさせたりと、できる限り伴走したつもりです。
 夫は、「中学は公立でよくない?」という考えだったので、息子が塾に通わせてほしいと頼んだとき、「がんばるなら応援する」と言って、受験生活が始まりました。よくある「夫婦で受験温度差のある家庭」ですが、わが家の場合は、夫が私のメンタルフォローや愚痴を聞く担当でもあり、また息子の尊敬する対象でもあったので、一次がだめだったときも「本当に今までよくがんばったと思う。でも人生では、がんばっても報われないときもある。勉強より大切なこともあり、12歳でそれを経験できたのは大きいよ。まだ人生は続く。気持ちを切り替えて前を向こう」という夫のことばは、家族を一つにしてくれました。
 塾友にも助けられました。学校でがんばるほど、塾生は浮きがちです。息子も悩みましたが、みんな同じだったようで、誰かが「こんなふうに考えるようにしている」とか、「こう対応している」などと言うと、みんなで「わかる、わかる」となり、自分だけじゃないと仲良くなっていきました。
 中学受験を通してメンタル面をやられるのは、親のほうです。受験した学校だけを見れば、結果はすべての学校から合格を頂けました。しかし、一度でも不合格をもらうと、「あのとき、こうしておけばよかった」と後悔し、「今まで最上位コースをほぼキープし、こんなにがんばってきたのに合格できないのは、私に問題があるのでは?」と考えてしまいそうでした。その不安をサピックスの先生に打ち明けると、息子が今まで塾でがんばってきた姿や性格、成績について説明され、「私は何も心配していません」とおっしゃってくださり、そのことばが私の心の支えとなりました。息子も、先生に「倍率は関係ない。いつもどおりに解くだけだよ」と言っていただき、緊張せずに受験できたと安心した様子でした。
 「中学受験」。この経験は一生の宝物です。サピックスの先生方には感謝しかありません。
 本当にありがとうございました。

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