受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 渋谷教育学園渋谷中学校

娘の成長を実感した6年間

K.Kさん お子さんの名前 Mさん

 娘がサピックスに入室したのは1年生のときでした。それまでの自学中心の個別学習塾に退屈していたようで、知的好奇心を刺激できればと、サピックスに通塾させました。家庭学習についてはとやかく言わず、娘も3年生まではテスト後の理科実験を楽しみに、ほかの習い事と同様に楽しそうに通塾していました。
 4年生になり、塾の雰囲気も一変、時に厳しい先生の指導の下、ここは進学塾なのだという自覚が生まれました。コロナ禍で制限はありましたが、学校見学などを通じて伝統校にはない自由で開放的な校風にあこがれ、親子ともども渋谷教育学園渋谷中を第一志望として意識するようになりました。
 6年生になると、その志望は確かなものとなり、何事にも控えめな娘が偏差値的に格上の学校を第一志望と宣言することにうれしさを覚えましたが、同時にテスト成績を見ると、不安も感じました。復習に力を入れるサピックスを信じ、ここから志望校合格に向けた娘と妻との三人四脚での熾烈な家庭学習戦争が始まりました。
 中学受験の経験がない私は、娘の質問に備えてポイント解説動画や解説で予習し、復習用プリントや暗記アプリで問題作りをしました。きつい家庭学習で受験から脱落しそうなときには、娘はここまでやってきた自負と、塾が楽しくやめたくないとの思いで耐え抜きました。楽しい授業により、心の支えとなった先生やクラスメートには本当に感謝しています。
 10~11月は成績がさえず、目標の渋谷渋谷には偏差値も過去問の合格最低点も届かず、志望校の変更を真剣に考えました。特に弱点の算数をどう対処すべきかと悩むことも多く、新たな教材を始めようかとも考えました。
 そこで先生とも相談したところ、男女御三家とは違い、渋谷渋谷に超難問対策は不要と、捨てる勇気が持てました。小問集合を確実に取り、大問は(二)までできればよい、単元は立体図形を克服する、と決めたのです。そのため、平常授業の直しに加え、志望校対策プリントと算数の解法力講座の直しを再徹底するとの意思統一を親子で図り、受験までの家庭学習の過半をここに注ぎました。
 その成果か、娘も「算数の実力が上がったような気がする」と苦手意識が少し解消され、冷静な状態で受験に臨めたようです。先生からご説明のあった、最後の1か月のがんばりで実力が大きく伸びるという話は本当でした。
 とはいえ、私は合格可能性が40%であっても、3回受ければどれかで受かる確率は約8割のはずと、すがるような気持ちで渋谷渋谷の受験を迎えました。一方、娘は意外に冷静に受験できたと言っていました。
 ふだんあまり感情を爆発させることのない娘が、渋谷渋谷から合格を頂いたときの喜びようを見ると、いかに同校を熱望していたかということがわかり、親の不安感から志望校を変えずにチャレンジさせて、本当によかったと思います。
 受験を通じて娘は大きく成長しました。自由な校風の下で今後も自分の感情を素直に表現し、成長し続けてほしいと思います。

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