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最新中学入試情報
進学校 ▶ 桜蔭中学校
忍耐に次ぐ忍耐!の先にあるものは…
M.Sさん ●お子さんの名前 Rさん
約1000日。時にくじけそうになりながら、それでも立ち上がり、前を向いて果敢に挑み続け、親子で桜蔭中の合格を勝ち取るために走り続けた日数。
6年生の夏。夏の天王山。娘は数年かけて蓄積されていた勉強の疲れが出てしまったためか、学ぶ意欲が低下し、勉強時間も大幅に減っていた。家族で中学受験撤退も視野に入れていた。ここであきらめたら楽かもしれない…。でも、私は親として、撤退したときの娘の未来が明るいものになるとは思えなかった。だから、私は娘と全力で走っていたスピードをいったんゆるめ、歩くようなスピードで勉強に寄り添うようにした。
夏期講習中に一度クラスが下がった。毎日、授業点によるクラス昇降があったが、夏期講習で一度クラスが下がると、4教科すべてで点数をそろえないと上がるのは難しかった。なかなか元のクラスに上がれない娘。もがいている娘を毎日励ましながら、「サピックスに行くことに意味がある」と伝え、励まし続けた。やっとの思いで元のクラスに戻ったとき、その努力が当たり前でないことを知り、上がれた喜びを親子でかみしめた。
秋の天王山は、サピックスオープンとのたたかい。SS特訓が始まり、週4日サピックス漬け。それでも、すべての煩悩を捨ててサピックス漬けになっているほうが親子共に楽だったりする。
毎回のサピックスオープンでは、点数とともに苦手分野を確認。学校別サピックスオープンでは、その学校をめざす子たちのなかでの立ち位置を確認。9月と11月の2回しかない桜蔭中の学校別サピックスオープンは特に大事。11月の学校別サピックスオープンでの立ち位置は、そのまま本番での立ち位置にも影響する。秋の天王山は記憶がなくなるくらい、走馬灯のように過ぎ去っていった。
冬の天王山。本番が近づいても思春期の娘との日々の言い合いは絶えない。そこで私は意識を変える。母として後悔のない中学受験にしようという意識に変えた。受験を振り返ったときに、あのとき、もっと娘にやってあげればよかったと思わないように、淡々と、それでいて全力で、粛々と日を重ねていった。自分の持っている力を毎日娘に注いでいった。
1月10日、埼玉戦が始まった。いつも模試のときの送り出しは、娘と片手ハイタッチをする。初戦でのハイタッチはパン!といい音がした。ハイタッチの後、後ろを振り返らずにさっそうと歩いていく娘の後ろ姿はたいへん勇ましかった。親が隣で伴走しているとはいえ、本番はあの小さな体で、たった独りでたたかうことを思うと、それだけで拍手を送りたい。
いつもなかなか自信を持てなかった娘だったが、埼玉戦が始まって「私は桜蔭に合格しなければならない」と言っていた。このとき、娘のスイッチは確実に入っていた。2月2日午後2時。娘は自分の手で合格を勝ち取った。親子で好きになった学校は桜蔭だけだった。その学校に娘は今春から通う。
最後に、皆さまにお伝えしたいのは、サピックスの先生方のことばを素直に信じて、やるべきことをやり、一日一日を大切に重ねていくことです。どんなにつらいことがあっても、必ず最後まで走り抜いてください。途中で止まることがあっても大丈夫です。あきらめないことが大事。毎日笑顔を絶やさずに!
2023年度中学入試 受験体験記 |
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