受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 大妻中学校

12年間のサピックス生活を終えて

H.Oさん お子さんの名前 Aさん

 3学年ずつ離れた3人の子どもたちが、新1年生の入学準備体験講座「もうすぐ1ねんせい」から通った12年間のサピックスでの生活が終わりました。次の方の参考に少しでもなればとの思いから、以下に3人の受験を通じて有効だった経験を記載させていただきます。
 受験前には、当初想定していない学校にも積極的に見学に行き、一度も行ったことがない学校を受けることがないように準備しました。直接見学してみると、本人に合った良い学校が多くあることがわかります。多くの学校を見学し、姉・兄のときと合わせて通算50校ほど回りました。
 サピックスオープンは、本番に近い動きができる会場を選びました。特に志望校が会場となった学校は有効でした。
 最初の受験の経験から千葉からの東京受験は朝が早くなり負担が増すので、宿泊で臨むこととしました。サピックスオープンでは、本番に泊まるホテルを決め、事前に経験させることとしました。
 娘の千葉受験は5連続で不合格となり、親子とも疲弊しました。ただし、このケースも事前にサピックスの先生と行っていたさまざまなシミュレーションの1プランとして想定していたかたちであったため、冷静に対処することができました。
 連続不合格の原因は、緊張と算数の取り組み方にあったと考えています。算数に苦手意識のあった娘は、受験本番、大問の1~3を2回解き直し、時間切れで後半の問題に手を出していませんでした。6校目の受験に当たり、試験前々日に過去問を解かせたところ、後半が白紙であったことがきっかけで気がつきました。実力的には余裕がある学校なので、これはおかしいと確認したところ、「受験本番に入ってから、ずっと大問1~3を2回解き直している。私は算数が苦手だから、1~3は絶対に落とせない。サピックスオープンでも後半はいつもできなくて、1~3ができたときに偏差値が高かったから」と話してくれました。娘は慎重になり過ぎて、これまでにやったことのないかたちで本番に臨んでいました。小学生が受験する怖さをあらためて認識しつつ、「今受けているテストはサピックスオープンではない。問題を恐れず、自分を信じよう。もう解き直しはやめて、受験本番前にやった過去問のやり方と同じように、最後まで走って、時間が余ったときだけ最後に見直ししよう」とアドバイスをしました。その後、受験した学校の算数は8割以上取れた手応えがあったようです。
 最後に、兄の受験後のアンケートで書いた私のコメントを、朝日新聞EduAで取り上げていただいたことがありました。こちらをあらためて記載させていただき、結びとしたいと思います。
 「限界までやって何かをつかむ経験、限界までやってもつかめなかった経験、この両方が人生では必要だと思います。受験でこの両方を得たことが何よりも今後の財産になるはずです」
 この場を借りて、12年間関わっていただいたすべての皆さまに感謝の気持ちをお伝えし、私たちの体験記といたします。ありがとうございました。

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