受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 豊島岡女子学園中学校

偏差値より熱意

K.Aさん お子さんの名前 Mさん

 志望校別の対策はどうかというと、豊島岡女子中の対策をしていれば、吉祥女子中は特に必要なかった。娘の理科・社会の勉強スタイルに「コアプラス」はなじまず、理科は土曜志望校別特訓で配られた「知識の総完成」と「知識の20題」を、社会は「知識の総完成」をベースにした。「コアプラス」が大切なこともわかっていたが、こちらはとにかくはかどらなかったので、最終的には辞書代わりのような使い方になった。
 秋以降、算数は授業で扱った基本的な問題を克服した。どうしても難問を解かせたくなってしまうが、基礎を見落とすほうが失点につながると思った。結局、12月のサピックスオープンまで、優れた成績を残すことなく正月を迎えた。国語に関しては、ここまでくると対策が思いつかなかったが、ある日、「選択肢問題をほぼパーフェクトにするだけで、ものすごく点数が上がる。だからすべて正解するつもりでやってみたら」と声掛けをしたところ、突如、別人になったように正答率が上がった。SS特訓での順位も上がり、気の持ちようは大事なのだとつくづく思った。過去問については直前期に解くことを推奨されていなかったが、構わず解いた。もともと合格可能性が低いし、当日もできないかもしれないのだから、すべて覚悟しなさいと言わんばかりに解かせた。
 そんな日々を過ごしているうちに変化が訪れる。年末まで合格最低点に届くことがほとんどなかった豊島岡の過去問が、入試まで残り2週間となったあたりで爆発的に解けるようになったのだ。合格者平均点も続けて超えるようになり、これ以上解かせ続けると油断につながりかねないと、セーブするほどだった。いつも見張りながら解かせていたので、不正はなかったと思う。
 このような日々を経て入試当日を迎え、豊島岡と吉祥女子に合格した。偏差値を見ると、つい弱気になってしまいがちだが、志望校を変えない代わりに、不本意な結果になることも覚悟のうえで最後までまい進した。不安になるとあれこれ手を出したくなる気持ちをこらえて、サピックスの教材だけをやり遂げたこともよかったと思う。娘にとって初めての入試は大きな経験になった。また、机を並べて共にたたかったライバルたちに、心から感謝している。

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