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最新中学入試情報
進学校 ▶ 東洋英和女学院中学部
1%の可能性を100%信じる
K.Sさん ●お子さんの名前 Hさん
いったい何度、受験体験記を読んだことでしょう。「合格可能性20%から番狂わせの体験談がないか」「魔法の勉強法はないか」と繰り返し読みました。しかし、何度読んでも、御三家に合格する生徒は勉強方法も内容も、たぶん在籍コースもわが娘とは比較にならない(参考にならない)レベルにあることを思い知らされるばかりでした。
そこで私は嫌でも気がつくのです。奇跡は起こるべくして起きている。本当の意味での奇跡はないと。子どもの受験を、けっして親の承認欲求を満たすためのものにしてはいけないと、自分に言い聞かせました。
娘が入室時から第一志望校としていたあこがれ校は、サピックスオープンでは毎回、合格可能性20%で、自分の偏差値よりもはるかに上の学校でした。しかし、娘はテストでどんな結果になろうとも、最後まで目標を変えようとはしませんでした。親としては、大事な2月1日校は、もう少し受かる望みのあるところで勝負したほうがいいのではと、自分中心的な考えに引っ張られたことも多くありました。
しかし、やはり好きなことを我慢して、勉強に全振りしている娘を見ると、口には出せませんでした。なぜなら、彼女の目標を取り上げた途端、無気力になってしまうのではないかという不安があったからです。安全と思って選んだ道にも、試練はつきものです。自分の人生を、人に決めさせない強い心を持った大人になってほしいという気持ちで、最後まで娘の思いを尊重することに決めました。偏差値表を穴が開くほど見て、どこを併願校にしたら全落ちを避けられるのか、頭を悩ませた日々でした。
SS特訓では、特に算数の理解が追いつかず、深夜まで問題を解き続けた日もありました。知識がなかなか定着せず、つらい時期もありましたが、担当の先生がいつも娘に寄り添い、レベルに合った学習を指示してくださったのがありがたかったです。
自分自身の反省としては、「共働き」と「娘の自走」を言い訳にして、あまり伴走できなかったことです。復習したページを確認し、わからない箇所や手が止まっているところはフォローすべきだったと思います。私の気質として、自分が簡単にわかるところで娘がつまずくと、わりと強めに指導してしまうことが多くありました。悪循環だと感じ、自分が問題を解くことをやめたら、ヒステリックに怒ったりする回数は格段に減り、受験前も穏やかに過ごせました。
秋になり、いよいよ過去問というところで、偏差値と関係なくいろいろな学校のものを解かせましたが、どれも点数が取れず、「20点野郎!」と親子で笑いながら励まし合った日々も、今となっては懐かしいです。ある学校で奇跡的に高得点が取れたことを心の支えとして、最後までがんばれました(それは、たまたまだったかもしれませんが…)。
第一志望校には届きませんでしたが、手にした合格校は娘の努力の賜物です。
制服採寸のときに、「入学許可証を持ってきたから、校門の前で撮って」とおねだりする娘は、女児向けテレビアニメシリーズが大好きだったころの、あの屈託のない笑顔でした。
2023年度中学入試 受験体験記 |
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