ぼくは、浮かれていた。１月に受験した学校はすべて合格しており、海城中にも受かるだろうと思っていた。手応えも悪くなかったので「合格しただろう」と思い、合格した後のことばかり考えていた。しかし、現実は残酷だった。２月２日、合格発表を見てみると「不合格」。その３文字が書かれていた。その３文字を見たとき、ぼくは、しばらくこの文字が何を意味するのかわからなかった。その結果を見た後、ぼくは、算数が足を引っ張っていると考え、最新の海城の過去問の算数を必死で復習した。
　そして迎えた２月３日、海城の第２回一般入試。コンディションは悪くなかった。しかし、ぼくはミスをした。国語の時間配分を間違え、記述を一つ空欄にしてしまったのだ。次の算数では、最後の問題までいくことができたが、社会でまた記述を一つ空欄にしてしまった。海城の社会の入試は、記述に重点が置かれているため、これは大きすぎる失敗だった。最後の理科は、気持ちを切り替えていつもと同じぐらいは解くことができたが、結果は目に見えていた。
　新４年生としてサピックスに通い、受験生となったあの日から始まったぼくの受験生生活は、第一志望校不合格という結果で終わった。そう思い、あきらめていた。２月４日、海城の第２回一般入試合格発表。ぼくは、海城のホームページから合格発表を確認した。結果を見たとき、ぼくは目を疑った。「合格」。１日の結果とは真逆の文字が書かれていた。
　ぼくは、受験を通していろいろなことを学んだ。その一つが「あきらめないこと」。到底自分には達成できないように思えることでも、あきらめずに努力すれば報われる。後輩の皆さんもあきらめずに志望校に向けてがんばってください。
　最後に、これまでぼくを支えてくれたサピックスの先生方、受付の皆さま、警備員の方々、ありがとうございました。