１月21日。母の携帯が鳴った。緊張ＭＡＸのぼくに先生が「明日の入試には手袋かカイロを持って行ったほうがいいぞ」とアドバイスしてくれたので、毎回カイロがぼくのお守りになった。
　「君がわからない問題はみんなもわからないから、自信を持ってやってこい」
　このことばは、千葉県の最難関の中学校を受けるぼくにとって大きな心の支えとなった。合格発表の日、ぼくは理科がまったくできた気がせず、算数では二次でしか出ないはずの作図が出ていたので、まったく自信がなかった。合格発表のページを開く気にもならず、母も合格したかどうかもわからないのに、ぼくを励ますようなことを言うような感じだった。そして合格発表のページを見て、ぼくの受験番号を見つけたときに、今までにないぐらいのうれしさが湧き上がってきた。１月入試なのに前日に激励電話をしてくださった先生への感謝の気持ちでいっぱいになった。
　２月３日。聖光学院中の第１回が不合格だったことがわかり、ぼくが落ち込んでいると、また先生から電話がかかってきた。そして第２回は自信を持って試験に臨むことができた。
　２月５日。それでもぼくは、「第１回で落ちているし、第２回もやっぱり無理なんじゃないか」と思って、その日は朝からそわそわしていた。ついに合格発表がやってきて、赤っぽい部分が見えた瞬間に、ぼくはまた舞い上がりそうなぐらいうれしくなり、ほっとした。「これでようやく受験が終わった」と思うと、ほっとして安心した。でも、それと同時にサピックスが終わってしまうことを悲しく思った。サピックスの授業は楽しく、１月はぼくにとって唯一、友だちと話ができるところでもあったからだ。サピックスの友だちや先生には感謝している。最後にお礼を言いたいと思う。本当にありがとうございました。