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進学校 ▶ 筑波大学附属駒場中学校
必勝の方程式
S.Kくん
「やるっきゃない」
こう決めたのは、いつの日だっただろうか。これまで積み上げてきた努力がすべて今の自分に直結していると理解したとき、人は本気になる。ぼくはそれらをすべて理解したときをありありと覚えている。
それは、受験直前の6年生の1月初旬の日だった。勉強中に「志望校に落ちたら嫌だ」と強く思う自分に対して、「なぜ、そこまで落ちることを怖がるのだろうか」と考えてみたら、「これまでの努力があったからだ」と思い当たった。それからというもの、今の自分の状態がすべてどのようなことによって成り立っていたのかをよく思い出すようになっていった。
思い出すのは、いつもテストのときのことばかりだ。しかも、たくさん勉強して緊張しながら受けた試験ばかりでもある。しかし、ぼくはその試験を受けたことによってのみ、「成長しているのだ」と感じている。なかでも強く覚えていたのが、いちばん上のクラスに戻ることをめざして1か月半ほど勉強した5年生の秋のマンスリーテストである。思い返すと、必要だったのは、今では当たり前となっている目標と、今の自分の数%ほどの努力である。しかし、当時のぼくにとっては限りなく高い夢であり、つらくてやめたくなるような生活だった。しかし、そこを抜けていちばん上のクラスに入れたことによって、ぼくは目標をつくって必死に努力する方法を理解できたのだと思う。受験の直前となっても、あのときの思いを経験していたから、ぼくはあきらめずに済んだのかもしれない。
どんなことであっても、目標に向けて努力するということは通じるのかもしれない。きっとこれまでの努力が今の自分につながっているとわかっている人は多いだろう。だが、わかるということと理解するということは違う。君たちが自分のこれまでの努力への思いや、つながりといったものを感覚として感じ取ったときに、絶対に勝つ。そして、その努力がきっと宝物になると信じている。
君たちがこれまでのことをすべて理解できたら、「そこからはうなぎのぼりだ」
2023年度中学入試 親子で歩んだ 受験の軌跡 |
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