無事に受験を終えることができた今、ぼくの受験生活を振り返ると、合格までの道のりはけっして順調ではなかった。６年生の11月、授業は以前と同じように楽しかったが、なぜかうまくいかず席順が下がり、模試の合格可能性も下がっていった。プレッシャーが日に日に大きくなって家庭学習に集中できず、模試にも行きたくなくなった。
　そんなぼくを、サピックスの先生は励ましてくれた。ぼくは先生が掛けてくれたことばを思い出して、「目標を忘れない。できる。大丈夫」といつも心のなかで繰り返した。過去問を提出したときに先生が書いてくれることばも、ぼくの励みになった。先生と話すと気持ちが少しずつ落ち着いて、冬期講習のころからまたがんばれるようになり、１月に入ると席順も上がり始めた。
　そうして迎えた筑波大附駒場中の入試の日。ぼくにとっては５校目の入試だった。不安な気持ちも少しだけあったが、やるべきことはやり切ったと思えた。だから大丈夫だとぼくは信じて、前の教科がうまくできなかったと感じても気持ちを切り替え、すべての教科を一生懸命に解いた。それまで苦手だった時間配分もうまくいった。帰り道、開成中と聖光学院中に合格したことを知った。
　２日後、筑駒の合格発表の画面を開くと、自分の受験番号が目に飛び込んできた。うれしさとともに、ぼくを励まし指導してくれたサピックスの先生方や、いつも支えてくれた家族への感謝の気持ちが湧き上がった。
　これから受験をする皆さんも、勉強がうまくいかず、投げ出したくなることがあるかもしれない。でも、あきらめずに続けている限りは前に進んでいて、目標に近づいている。スランプを越えた先には、志望校合格に続く道がきっとある。だから自分を信じて、難しい勉強も楽しんでがんばってほしいと思う。