受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2023年度中学受験  サピックス小学部第30期生/受験体験記

進学校 東京都立小石川中等教育学校

ダンコたる決意

S.Eくん

 「いっ、痛い!」
 都立小石川中等教育学校の受検当日の朝、起きた私は強烈な痛みを感じた。そう、寝違えたのだった。「あいたたたた」と言いながら起きた。そんな私に父は「おもしろくなってきたぜ」と言ってくれた。そして、首が斜めのまま出発する前に、「お前、(山王戦の)桜木花道じゃん」と言って私にあるものを渡した。
 それは、『スラムダンク』の最終巻だった。私は、今まで使ってきた「コアプラス」や過去問ではなく、『スラムダンク』の最終巻を持っていくことにした。電車で向かっている途中、あることばを見た。それは「ダンコたる決意」だ。
 私はこのことばを心に、痛みに耐えながらなんとか適性検査を受けた。
 そして合格発表当日、スマートフォンで結果を見た。合格していた。「ウホーーーーー」(ゴリ赤木)
 私はサピックスに入ってからの3年間でたくさんのことを学んだ。でも、それが都立の学校の適性検査にも通用するのかなとも思っていた。しかし、SS特訓の麻布コースなどのハイレベルなところでさまざまな文章を読み、思考力を養うことは都立の学校の対策にもつながっていた。
 実は11月、12月までの偏差値は30台だった。でも、最後のマンスリーテストで50台まで上がった。なぜか。それは算数の基本問題で得点できるようになったからだ。それと、あきらめなかったからだ。
 大切なことはたくさんあるが、中学受験においていちばん大切なのは、結果が不合格だったとしても「がんばってきた」と思える過程だったかどうかだ。結果がすべてなのであれば、人生の結果は誰もが「死ぬ」ことだ。大事なのは、生きるその過程なのだと思う。
 だから結果はどうあれ、過去を振り返ったときに、自分を少しでもほめられるような受験に、ぜひしてほしい。何度かあきらめそうになることもあるかもしれない。
 でも、「あきらめたらそこで試合終了だよ」(安西先生)

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