私は新４年生の２月にサピックスに入室しました。成績は真ん中くらいで、５年生の冬に、初めて上位コースに上がることができました。うれしさのあまり、電車を待つプラットホームから家に電話したことを、昨日のことのように思い出します。６年生の７月に明治大付明治中で「夏休み授業体験」があり、一日生徒手帳をもらって、５科目の授業を受けました。どの先生の授業も楽しく、施設もきれいで、広々としたグラウンドも魅力的でした。この学校で学校生活を送りたいと強く思いました。
　しかしそのころは、明明の算数は私には難度が高く、国語は１万字を超えるような長文のために、過去問を解いても、思うように点数を取ることはできませんでした。９月に入り、国語の先生には明明の超長文対策を、算数の先生には式や考え方のポイントを教えてもらいました。クリスマスのころになって、「もしかしたら、合格できるかもしれない」と思えるようになりました。
　２月２日と３日の両日とも出願し、初日で無事合格。携帯で、【「合格」です。おめでとうございます。】の表示を見たときの感動は、今でも忘れることはできません。２月３日に明明を再受験する必要がなくなり、慶應中等部にチャレンジしたところ、まさかの一次合格。準備不足だった二次試験には不合格になりましたが、私のなかでは一次合格だけでも大きな自信になりました。
　入試本番で予想していたよりもうまくいった理由は、苦手だった算数がふだんよりも調子が良かったからだと思います。山脇学園中の算数１科に合格したことで、完全に勢いに乗ることができました。サピックスではつらいこともあったけれど、楽しかったことのほうが多く、みんなと机を並べて勉強したことはとても良い思い出です。先生に合格のお礼を伝えに行ったときも、そのまま授業を受けたいと思ったくらいです。
　最後まで応援してくれた先生、両親、妹へ。ありがとうございました。