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やるぜぃ
K.Tさん
「やるぜぃ」
理科の授業はこのことばから始まる。どんなに暑い日も寒い日も、どんなに成績が上がっても下がっても。
6年生の後期に入ってから一時期、成績が下がっていた。単に成績が下がっていたのではなく、勉強に取り組めなくなっていたのだ。2か月くらいそれが続くと、さすがにつらくなってくる。そんなときに、助けてくれようとしたのが先生たちだ。テスト中でも隠れて見守ってくれたり、声を掛けてくれたりと、今考えればすごくありがたいことだったが、当時はそれがなんとなく怖くて、嫌だった。おそらく、長く続いていた当たり前のサピックスでの日常が、終わってしまうのが嫌だったのだと思う。でも、そう思っていたのも束の間で、いつの間にか日常に戻っていた。先生の話を聞いたり、SS特訓や土曜志望校別特訓では友だちと楽しく過ごしたりした。たまに周りの人との勉強量の差や先生からの注意で少し緊張感を持ったかと思えば、すぐに緊張感がゆるんで…みたいな感じの繰り返しだった。
1月ごろは、先生の目の下のクマが少し濃くなったような気もしたが、いつもどおり授業は楽しかった。1月のなかで特に印象に残ったのは、「もう頭は良くならないけれど、点数は上げられる」という先生のことばだ。ミスを減らせという意味だが、それに対する特別な対策もないから、いつもの勉強の問題を意識的に解いていた。
サピックス最後の理科の授業も、5年生のときと同じように先生の「やるぜぃ」のことばとともに始まった。最初から最後まで、先生方の授業は一貫していつもどおりで、とても楽しかった。本当に楽しい授業と大切な時間をありがとうございました。
2023年度中学入試 親子で歩んだ 受験の軌跡 |
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