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進学校 ▶ 桜蔭中学校
厳しい指導、感動の涙、体で覚えるサピックス
S.Lさん
こんな題名にしたら、載せてもらえないかもしれません。でも、本当にぴったりなのです。私は、サピックスが本当に、すごく、かなり、めちゃくちゃ大好きでした。留年したいと思うくらい。愚かなことをして叱られ、恐れながらも尊敬していた先生方は、突き放しながらも何かと助けてくれたので、本当に大好きでした。今も。サピックスの教材はすごい。しかし、それに加えて、先生もすごい。子どもを扱い慣れていて、博識で、いつも私たちのはるか上にいる存在でした。故にあこがれることができたのです。
私は、4科目のなかで特に国語にひかれました。ここに、私がその理由について考えて考えて考えた過程と、考え抜いた末に出した結論を記しておきます。最初、私は、ただ先生の人格を好きに思い、どこか対等だと思っていたのです。そして、国語の先生になりたいと思いました。ところが、テキストに取り組んだり、解説を聞いたりするうちに、国語の奥深さとおもしろさがわかってしまったのです。ここで、ようやく先生への尊敬が生まれました。今思うと、やっと幼さから抜け出したのでしょう。
さらに、志望校別特訓で「大人と子ども」というテーマの文章について学びました。大人は現実を生きていて、自分の可能性に限りがあることを知っている。子どもは、幼いが故に、幻想である可能性に気づかず夢を持つ。この時点で、今はまだ自分の夢が幻想である可能性が高いと思い当たりました。しかし、夢を持つこと、自分の可能性を純粋に信じること、それは自由ということであり、社会、自分の向上のために必要であり、すばらしいことであり、今しかできないことだと気づきました。だから、それがたとえ幻想であっても、追い求めようと思いました。これを通して、もしかしたら受験とは、若いことの貴重さに気づかず過ごしていた私たちを、いったん大人というものを実感させてから青春を謳歌させるためのものなのかもしれないと悟りました。先生方、スタッフの皆さん、ありがとうございました。
2023年度中学入試 親子で歩んだ 受験の軌跡 |
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