先輩方の受験体験記にはとても励まされたので、私も自分の体験を記してみようと思います。私がサピックスに入室したのは２年生のころでした。当時は「おもしろい習い事」くらいに考えていましたが、通ううちに中学受験を意識し始めるようになりました。３年生のときに訪れた中学校の文化祭で印象に残る出来事があり、自分のなかで志望校が決まりました。
　私はサピックス以外の塾や家庭教師は利用しませんでした。学習法といえば、ひたすらサピックスの授業を聞いて、翌日まで…少なくとも次の授業の前までには復習するという、ただそれだけでした。息抜きのゲームも１月31日まで（節度を守って）続けていました。勉強量や方法も大事だと思いますが、自分の実力と目標との距離を直視して、できなかったことから目をそむけないというメンタルが何より重要だと思います。
　テスト前には緊張や不安もありましたが、サピックスに通うのはいつも楽しみでした。なぜなら、一緒に切磋琢磨したいと思える仲間がそこにいたからです。学校でうまくいかないことがあっても、塾に来ると気持ちをリフレッシュできました。
　入試当日の朝は、同じ校舎の仲間が「満点オメデトウ」「名前書くのを忘れるなよ！」などと交換採点時にひと言書き入れてくれたデイリーチェックの答案や、先生方がていねいに解法やコメントを書いてくださったＳＳ特訓の答案を見返していました。不思議と、眺めているだけで心が落ち着きました。結果的に、受験したすべての学校に合格することができました。
　これでゴールではなく、やっと望むスタートラインに立つことができた、と思っています。中学からやりたいことをいろいろ考えたり、サピックスでできた大切な友だちと遊びに出掛けたりと、今、とても充実しています。
　単なる受験勉強にとどまらない教養を授けてくださった先生方、そして受付の方や警備員さん、どうもありがとうございました。