受験ライフをサポートする進学情報誌 さぴあ

2026年度中学入試 親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 栄光学園中学校

先生の言葉は魔法です

 息子は新3年生の2月からサピックスに入室しました。本格的に勉強が忙しくなる前に志望校を決めるため、文化祭や説明会に足を運びました。3年生の5月、息子には運命の出会いとなる学校がありました。今思うと、なぜそんな遠くの学校に足を伸ばしてしまったのだろうと思います。たまたま検索した乗換案内の表示が1時間を示していたので、電車の好きな息子なら通学圏内かもと思ってしまったのです。それは運命のいたずらだったのかもしれません。

 山の上の広大な敷地に広がる2階建ての素敵な校舎は、都内に住む息子には異世界のように感じたのかもしれません。一瞬で心を奪われてしまいました。さらに生徒さんのほのぼのとした穏やかさに居心地の良さを感じたようです。その日から息子の第一志望校は決まりました。その後も近くの学校を中心に文化祭に行きましたが、最後まで心変わりはありませんでした。

 SS特訓は遠方だったこともあり、志望校対策のコースはありませんでした。SS特訓だけ他校舎に行く方法もありましたが、息子は、慣れた先生に教わった方が安心できるということで自分の校舎を選択しました。その他の志望校も本人が行きたい学校を選んでいたため、基礎・処理能力重視のAタイプと思考力・記述力重視のBタイプの学校が混在していました。先生方は経験から、AとBのバランスの良いクラスを息子に勧めました。当然、クラスの冠名に息子の行きたい学校名は入っていません。周りの子は皆、同じ学校のグッズを持っていたそうで、孤独感で不安になり、「僕はこのクラスにいていいの?」とモチベーションが下がってしまいました。先生より、「このクラスにいれば大丈夫。クラスで一番を取れ!」と声を掛けていただくことで、不安な気持ちは解消されました。先生の言葉は魔法です。親が何か言うよりも絶大な効果があります。安心して、息子は全力で授業に集中しました。

 真面目で心配性の息子は、自信を喪失すると解ける問題も解けなくなります。また、頑張りすぎても苦手な算数で力が入りすぎて空回りし、ミスを連発することがありました。先生が選んでくださったクラスでは、息子の自己肯定感を高め、自信を維持することが出来たおかげで、6年生の成績は一番安定していました。最後のマンスリーテストでは三つクラスが下がりかなり落ち込みましたが、この時も先生方に声を掛けていただき、持ち直して安定した精神状態で入試に臨むことが出来ました。

 こういったメンタルの安定が、全勝という信じられない結果を導いたのだと思います。第一志望校の合格発表の画面を見て、肩を震わせて声を出さずに泣いた息子の姿が忘れられません。しばらくして出た言葉は「パパ、ママありがとう」でした。その瞬間、4年間の様々な苦労は吹き飛び、中学受験をして本当に良かったと思いました。サピックスの先生を信じる者は救われます。心から感謝しています。