受験ライフをサポートする進学情報誌 さぴあ

2026年度中学入試 親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 栄光学園中学校

一日一笑で必勝!?

 「友だちに一緒に塾行こうって言われたんだけど、行っていい?」

 小学3年生のころ、学校から帰ってきた息子のこの言葉は、まさに寝耳に水。そのころ、低学年から続けていた通信教材を継続するか、変更するか検討していたところで、まさか通塾という選択肢を本人から提案されるとは思ってもいませんでした。驚きましたが、本人が行きたいのなら、とあまり深く考えることなく、誘われるままサピックスに入室しました。

 こうして軽いノリで始めてしまったサピックスライフ。ありがたいことに、息子は塾に通うことが楽しかったようで、一度もやめたい、行きたくないと言ったことはありませんでした。日を追うごとに塾で出会った仲間の話題が出るようになり、切磋琢磨しながら、刺激をもらっている様子が伝わってきました。

 しかし、6年の夏期講習からは、楽しいだけではなかったように思います。スケジュールもタイトになり、「明日も塾かぁ…」とこぼす日もありました。体力的にも精神的にも疲れているなと感じたときには、とにかく早く寝させることと、一日に一度は笑わせることを心がけました。芸人のネタを真似したり、お笑い番組をみたり、くだらないダジャレを言い合ったり。これは入試が終わるまでずっと心がけていたことでした。

 また、子どものやり方をできるだけ尊重することも大切だと感じました。息子は食事中、テレビを観るか、本や新聞を読むかするので、いつも食事に時間がかかります。塾の前の補食も、失敗しない女医や個性的な刑事が活躍するドラマを観ながら食べていたので、「さっさと食べて少しでも勉強すればいいのに」とイライラしていました。ですが、テスト前だからと早く食事を終わらせ、勉強させたときほど結果がふるわない、ということが何度かあったのです。私からすればもったいない時間でも、息子にとっては貴重なリフレッシュタイム、あるいは必要なルーティンなのだと考えを変え(諦め)、あまり口を出さないことにしました。

 大人が経験上「こうした方がいい」と知っていることでも、子どもはまだ道の途中。自分でやってみて、納得いく方法を見つけていくことは、必要な遠回りなのだと思います。

 3年間を通して山あり谷ありの成績で、字は汚いし、基礎トレは三日坊主、親の目を盗んでゲーム、と決して模範的な受験生ではなかった息子。悔し涙も一度や二度ではありませんでしたが、幸いメンタルは強いようで、失敗をバネに前進できるタイプだとわかったことは大きな収穫です。

 この3年間、自分で決めた道を目標に向かって歩き続けたことをとても誇らしく思います。結果的に、受験した全ての学校から合格をいただけたことは、大きな自信になったことでしょう。無論、息子の歩みを支え、導いてくださったサピックスの先生方、共に歩いてくれた仲間の存在なくしては成しえませんでした。本当にありがとうございました。