受験ライフをサポートする進学情報誌 さぴあ

2026年度中学入試 親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾普通部

秋の偏差値マイナス10

 「偏差値マイナス10!?」

 長男6年の秋、第3回サピックスオープンでの衝撃でした。

 そもそも我が家は、両親ともに中学受験の経験がなく、春には長男と12歳差の第三子が誕生。共働きで夏には職場復帰した為、塾の学習内容を確認する余裕がありませんでした。自宅学習は基本的に本人任せ。サピで出された家庭学習はこなすものの、勉強時間よりも休憩時間が長く、気がつけばゲームとタブレットに手が伸びている毎日。

 さすがに心配になり、個別面談で勉強時間について相談したところ「前期は余裕があるくらいでちょうど良いです。後期は大変になりますから」と先生から伝えられ、そういうことなら…とその状況を安易にも静観していました。

 実際、6年前半は成績が安定し志望校判定も好調だったため、親の役割としてプリント整理には情熱を燃やす一方で、何を、いつ、どれだけ学習するかは、過去問の取り組みも含め本人に委ねていました。

 しかし6年秋、突然の偏差値マイナス10。学校別サピックスオープンでも同じような結果が出たことで、家の中の空気が変わりました。受からないかもしれない…という予感がリアルになったのでした。

 しっかりしているとはいえ、長男はまだ12歳だということを改めて認識。苦手なものは、本人の中でも、いつの間にか勉強量が減っていたことに気づき、そこから遅ればせながら夫も本気の伴走を開始。理科を中心に苦手単元を徹底的に潰していきました。

 なにより息子本人が危機感を覚えたのか、11月から自らゲームをやめる決断をし、タブレットを封印。ここからが本当の意味での自律した自走が始まったように思います。

 特に志望校別コースで過ごす時間は楽しかったようで、9時間にも及ぶ過酷な授業も同じ目標を目指す仲間とのかけがえのない時間になっていたように思います。秋以降、自らポイントをまとめた自作ノートの完成度や、決めた学習計画をやり切る気持ちの強さには、親が驚かされるほどでした。

 2月の本番中、第三子が発熱し保育園から呼び出されるというハプニングもありましたが、なんとか乗り切ることができました。もう少し早くから学習内容を確認して、伴走していたら…など、今になって思うことは色々とありますが、最後は本人の志望校への強い気持ちが、この結果を導いたのだと思います。慶應義塾中等部の面接で「お子さんの成長を感じたことは」と聞かれ、この受験期での自らの人生を切り拓こうとする力強い姿を迷いなく語れたことは、良かったなと心から思います。