受験ライフをサポートする進学情報誌 さぴあ

2026年度中学入試 親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾普通部

合格可能性30%からの挑戦

 息子は3年の夏休み明けから他塾へ通っていた。塾の内容を楽しいと思い、中学受験をすると決め、4年の後期に入室テストを受けサピックスへ。先生の授業は楽しく、難しい算数の問題にワクワクしていた。

 しかしコロナ罹患後症状が長く続き、後遺症と診断される。酷い倦怠感や全身の不快な症状に苦しめられ、日常生活が送れなくなる。風邪などめったにひかない息子が毎日インフルに罹ったような状態になる。休会を経て、5年には退塾を申し出たが、室長は後遺症であることを理解し受け止めてくれ「まだ諦めなくて大丈夫」と励ましてくれる。約1年半全く勉強はできず、サピックスがupしてくれる授業のポイント解説動画を見るしかできなかった。とにかくまずは学校に行けることを切望していた。元気に登校している小学生を見ると涙が溢れた。1時間でいいからこの症状から解放させてやりたかった。繰り返す喉と鼻の症状から治療法を見つけ、痛い治療に耐えた。どうしたらこの子の苦しみを解放させてあげられるだろうと思い詰めたが、息子はいつも前向きだった。夫もいつも前を向いていた。

 治療が功を奏し、日常が戻ってくると同時に学校へ行き、6年の6月からは塾へも通えるようになる。1年以上の差がついてしまい、社会や理科は偏差値38。テストを受けても★の平均を9割が下回る。とても苦しかったと思う。皆が勉強済の内容が自分は初見。ついていくのに必死だったと思う。夏期講習は水を得た魚のごとく生き生きと取り組み、絶対に皆に追いつきたい一心だった。学校が大好きだったので学校を優先させた。勉強時間は少なくとも心は充実していた。また、日曜日のSSは大変充実した内容でぐっと成績を押し上げてくれた。心の熱い室長をはじめとする優秀な先生方と、復習をくり返してくれる学習により諦めずに挑み続けられたと思う。12月の冬休み中にも体調悪化し不安だったと思うが、30%だった志望校判定は70%を突破する。真っ暗なトンネルの中にいた息子は、自分の力でトンネルを抜けて先へと進んでいった。

 面談でも先生から「力がある。とても頑張っている」と励ましていただく。おもしろかった問題や先生方の話をワクワクして話してくる。楽しいんだなと思った。そしてこの経験は更に息子を強くしただろうと思う。中学受験を経験していない私からすると、小学生にこれほどの勉強をさせることは大変なことだ。しかし、生きるための基礎知識、人と関わり続けるための沢山の知識や考え方、熟考する力は人生を豊かにすると思った。受験経験者の夫が受験して本当に良かったからという意味が理解できた。

 先生方、学友の皆さんありがとうございました。そして息子よ! おめでとう! これからも前進していこう。チャンスの種を踏みつけずに一生懸命育て上げ、花を咲かせてくれた君を誇りに思う。