受験ライフをサポートする進学情報誌 さぴあ

2026年度中学入試 親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾中等部

合格に繋がった10歳の乱

 「もう中学受験なんてしない。僕の人生だから僕が決める。小学校の皆と同じ学校がいいから、受験はしない」

 1年生から通塾してきた息子が、4年生の9月に叫んだ言葉です。

 4年生の夏期講習を順調に終え、2学期が始まると、毎日頭痛を訴え始め、SAPIXに行くことを拒否、何とか登塾しても、1コマ終えると受付に寄りそのまま早退。帰宅すると元気になることが繰り返されました。

 低学年の時は、放課後に持て余した時間を塾で楽しむ時間にできればいいかと、軽やかに対応していた私自身が、新4年生になり本気の家庭学習が始まって以降、家庭内に緊張感を走らせ、週間スケジュールをガチガチに詰め込み、家庭学習が終わるまで休日の外出を許容しなかった結果でした。今思えば、無理なことを強いていただけだとわかるのですが、その頃は訳がわからず、SAPIXに相談し、受験コンサルタントの先生に相談し、勉強のさせ方のアドバイスをいただき、転塾の良し悪しまで検討しました。結果として、6年生の1月までは受験勉強を続けるけれども、勉強のペースや受験のことは息子が主導で考えるということで親子の折衷案を出しました。現実的には、漢字勉強と基礎トレしかしない時期が続き、授業前テストは欠席、デイリーチェックすら手を付けていませんでしたので、クラスはあっという間に下がっていきましたが、通塾はできるようになりました。

 上位クラスを維持することが何事にも勝ることと思い込んでいたのですが、息子に転機が訪れたのは、クラスが下がった後のことです。授業ペースが遅くなり、家庭学習が減ったことで、なんと息子の成績は上がり始めました。また、ブロックを複数にまたがり経験したことで、いろいろな先生や授業の進み方を知り、すべての家庭学習をこなすことが必ずしも良くはないと知ることができました。息子はクラスが上がることでまた苦しい状態になるのではないかと一時期はおびえていましたが、その時は校舎責任者の先生と相談して、いい方法を探せばいいと本人を説得し、成績が伸びることは決して悪いことではなくむしろいいことがあるに違いないと一緒に考えてあげるようにしました。

 GS特訓の頃まではアップアップしていたように見受けられましたが、その後、夏休み前あたりから、いわゆる「自走」モードに入りました。前述の通り勉強をしなかった時期がありますので、算数以外の3教科は、4~5年生で基礎力を培えなかった分野が穴だらけで大変不安定な状態で、まったくわからない、と過去のテキストをひっくり返す週もありましたが、本人がコツコツと穴を埋めていったことで、徐々に成績が安定し、とてもいい状態で入試本番を迎えられました。

 我が家にとっては4年生の乱があったことで、直前期のメンタル勝負に対する準備が整えられたのだと思います。どんなことも、経験は力にできると思いますので、ご参考になれば幸いです。