受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

多様な経験を盛り込んだ
バランスの取れた教育を通して
確かな学力と豊かな人間性を形成

早稲田中学校・高等学校 校長 笹倉 和幸 先生

大学による学部説明会、模擬授業など
系属校ならではのキャリア教育も充実

キャプションあり
上/興風館地下の温水プールは床暖房完備で、4月から11月まで授業やクラブで使用可能
下/約1000人を収容できる誠ホール。座席をたたむと第2体育館として活用できます

溝端 進学においては、卒業生の半数が推薦で早稲田大学に進み、半数が他大学を一般受験するとのことですね。高2で文系と理系に分かれるので、その段階で進路を決めなくてはならないのでしょうか。

笹倉 早稲田大学は文系の学部が多く、枠も多いので、文系で推薦を希望する生徒の割合は理系より高いですね。理系の場合、学科単位の人数が少ないですから、推薦一本に絞るのはリスクが高くなります。実は、今年は理工系のある学科に人気が集まって、成績上位層だけで定員が埋まってしまいました。その下の成績といっても、普通に一般受験でその学科を受ければ合格できるレベルの生徒たちです。理系ではそのようなことも起こり得ます。このため、基本的に理系で推薦を希望する生徒は文系より少ないです。

 文理選択の申請は高1の2学期の初めに行います。そのときの参考になるのが、6月の毎週土曜日に早稲田大学の各学部で行われる説明会です。これは本校の高1に向けて開いてくれるものですが、高2・3も参加できます。「こんな最先端の研究をしている」「どんな進路があるか」など、それぞれの学部が魅力をアピールします。模擬授業もあります。高1向けにアレンジした授業をしてくれるので、とてもおもしろいようで、授業を聞いて「この先生の研究室に行きたい」と志望を決める生徒もいます。大学が、各学部で本校の生徒向けにこうした機会を設けてくれるのはありがたいことで、貴重なキャリア教育の機会になっています。

溝端 大学に近いということもありますが、大学のキャンパスに行って模擬授業を受けられるのはぜいたくなことですね。

笹倉 長期休暇中には、理工3学部を希望する生徒向けに、大学の実験室を使って物理・化学・生物の実験をやらせてもらう講座もあります。普通はなかなか経験できないことです。本校の実験室のレベルもかなり高いですが、さすがに大学レベルの設備までは用意できません。関心が高い生徒たちは、大学で最先端の設備で最先端の実験を見せてもらうと、もう早稲田大学のファンになってしまうんですね(笑)。本校からはもちろん優秀な生徒以外は送りませんから、お互いにとって良好な関係になっているのではないでしょうか。

24年9月号 さぴあインタビュー/全国版:
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