さぴあインタビュー/全国版
創造的な学びがあふれる
豊かで温かな土壌が
主体的に生きる力を育む
桐朋中学校・高等学校 校長 原口 大助 先生
「自律的な学習者」を育む
新しい教育課程がスタート
校長 原口 大助 先生
神田 この春から、全国の中学校で新しい学習指導要領に基づく学習が始まりました。この機に、「自律的な学習者」の育成をめざす「中学新教育課程」(カリキュラム)を導入したと伺いましたが、これはどのようなものですか。
原口 行事でもクラブ活動でも主体的な活動を追求してきましたが、学習面でもそうした部分を強化していこうということです。本校では戦後間もない時期から、中学生に自由研究に取り組ませてきた歴史があり、発表授業も行うなどして、自立的な学習を重視してきました。ただ、毎年のようにやっていると、サポートする教員の手が伸びてしまいがちになります。重要なのは、彼らがやりがいを見いだし、自分でここまでできるという見通しや可能性を感じられるようにしていくことです。
どんな工夫をしたらそのような姿勢が育っていくのか検討し、さまざまな社会情勢のなかで教員側からの〝とらえ返し〟として出てきたのが、これまで以上に自主・自立を重視し、生徒が自分自身をコントロールできる「自律的な学習者」に育て上げるという方針です。一人ひとりが試行錯誤しながら学習の方法を見つけ、みずから学んでいく人へと成長するために、わたしたち教員は授業に工夫を凝らし、彼らの学習意欲に刺激を与えていきたいと考えています。
神田 われわれにもジレンマがあります。塾としては第一志望校に合格できるよう、手取り足取り、さまざまな指導をしています。その半面、〝お膳立て〟のうえで身についた学習姿勢が、第一志望校に見事合格し、進学したときに、果たして「自律的な学習者」になれるのだろうかという一抹の不安は感じているのです。
原口 もちろん、わかる喜びや自信のつく体験をするうえでは、一定のサポートが必要です。しかし、予習・復習のためにと思って、問題を解いてノートを提出するよう課題を出しても、ノートを出すことだけを目標にしてしまう生徒もいます。理解につながるよう自主的に取り組む体験をさせたいと思っても、意図が伝わっていないわけですね。そこを自分自身で認識し、自分でやってみようという方向に引っ張っていけるよう、各教科でさまざまに工夫をしていきたいと考えています。
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