受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

世界に通用する教育を通して
「新しい価値」を生み出す
グローバルリーダーを育成する

海城中学高等学校 校長 柴田 澄雄 先生

教科のつながりで育む総合力
学習の成果は卒業論文で発揮

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柴田 高校で興味・関心のあることに取り組むとき、ベースになるのは中3の社会科卒業論文です。文献を調べるだけではなく、対話取材で生きた情報を得たり、フィールドワークをして結果をまとめたりするなど、中1のときから卒業論文を書くリテラシーを段階的に学んでいきます。そうした訓練を経たうえで、中3になってから自分が選んだテーマで、きちんとした論文の書式で原稿用紙30~50枚を書き上げます。

神田 テーマを拝見すると、「食品ロス」や「医療格差」などさまざまですね。

柴田 テーマの多様性と深さは、中学3年間を通してレポートを書きながらいろいろな問題について考えさせているからだと思います。受験生や保護者の方が卒業論文集を見ると、「すごい」と思うと同時に、「うちの子がこんなに立派に書けるかしら」と心配されますが、3年間をかけて力をつけるカリキュラムを作っていますので、ご安心ください。

 カリキュラムについては、2011年に高校募集を停止したとき、6年一貫の有機的なものに作り替えました。そのときに教科間の連携をしっかり固めました。たとえば、中学入試では、算数は社会と違って記述がありませんが、それは教科のポリシーとして、入学段階ではしっかりした計算力を持ち、多くの解法をきちんと学んできた子に入学してほしいという考えがあるからです。表現力については入学してから鍛えます。数学なら中2から記述の訓練をきちんとやり、社会ではレポートや卒業論文など記述する機会をたくさん設けているので、国語力も必要となります。このため、国語の時間数は中3で多くとっています。そういった形で、各教科が有機的にからみあっているのです。

神田 教科ごとの連携があって、教科の枠を超えた学びがシステム化されているわけですね。

22年3月 さぴあインタビュー/全国版:
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