さぴあインタビュー/関西情報
多様な国籍の生徒が集う
グローバルな環境のなか
世界で活躍できる人材を育成
関西学院千里国際中等部・高等部 教頭 田中 守 先生
興味の対象を探しながら
自分で作る時間割
2021年にリニューアルされた図書館。エントランスを入ってすぐの校舎の中心に位置しています
松本 貴校には、基準を満たした卒業生は、全員が関西学院大学に進学できる院内推薦制度がありますが、東京大学や医学部医学科に進学する卒業生もいるなど、進学先は多様ですね。
田中 はい。現在、関西学院大学に進学する卒業生は、用意されている推薦枠の半数ほどです。進路は多岐にわたっており、帰国生でなくても海外大学に進学するケースも珍しくありません。一方、関西学院大学へ進学した卒業生は、高いモチベーションで学びを続けているということが卒業生全員へのアンケートからもわかります。たとえば、「〇〇先生のゼミに入りたいので関学へ進学する」というようなことが、関学志望の高3生にはあるのです。
本校としては、たとえ関学へ進学できる枠が全員分あっても、生徒の進路の自由は保証したいと考えており、その点は大学側の理解も得ています。そもそも本校は帰国生のための学校としてスタートしました。大学に行くことの前に、自分は何者かを見つけ、自己実現のためにはどんな学びをするべきか、それはどこで学べるのかを考え、そこで初めて大学名が出てくるような進路指導を方針としています。自分は何ができるのか、何をすべきかといったことをずっと問い続けるよう生徒に促し、いろいろなことに挑戦させ、新たな可能性を発見させてきたのです。
やってみれば、できたかできなかったか、楽しかったか楽しくなかったかがわかります。そうした積み重ねを、自分で進路を決めるまで続けさせるのです。それぞれの生徒が答えを導き出してから、総合型選抜や学校推薦型選抜で大学を受けるというのが最も多い形です。本校の生徒は英語力があり、それに加えて志望理由がはっきりしているので、そのような入試では比較的通りやすいのだと思います。
溝端 生徒が進路を決めるきっかけとなるさまざまな仕掛けが、学校の中にたくさんあるのでしょうね。
田中 何が生徒の心に引っ掛かるかわからないので、学校としては、きっかけとなりそうなものをいろいろと用意しておくしかありません。本校には時間割を自分で作るというシステムがあり、しかも学期ごとに変えられます。学期が半分終わった時点で、やっていておもしろかったもの、まったくだめだったものなどを取捨選択して、次の学期で学ぶものを決めることができるのです。理系・文系という分け方にとらわれず、一人ひとりが可能性を試しながら、自分のコースを作っていけるのです。
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