受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

多様な国籍の生徒が集う
グローバルな環境のなか
世界で活躍できる人材を育成

関西学院千里国際中等部・高等部 教頭 田中 守 先生

自分を見つけ多様な進路へ
一般生も海外大学に進学

田中 さらに、本校の生徒はSISとOISの両方に所属しているようなものなので、一般生でもインターナショナルスクールであるOISの生徒向けのプログラムにも参加できます。たとえば、イエール大学で世界大会が行われるアカデミックなワールドスカラーズカップ(WSC大会)には、SISとOISの生徒がチームを作って毎年参加していましたが、そこには世界中から優秀な高校生が集まるので、とても良い経験になります。また、OISはIB校なので、IBディプロマを取得するうえで全生徒が修了しなくてはならない課外活動であるCAS(Creativity, Action, Service)というプログラムがありますが、それをやっているOISの生徒に影響を受け、一緒に参加するSISの生徒もいます。先ほどお話しした「オールスクールプロダクション」というミュージカルのプログラムでは、本格的な演出家を招いてオーディションから実施したことがありますが、そのときは多くのSIS一般生もチャレンジしました。そうしたプログラムに参加することが目的で入学した一般生も多いのです。

 そのような環境ですから、進路に関しても、海外大学合格者の半数が一般生です。なかには、中1で基礎から英語を学び始めたにもかかわらず、卒業後はハンガリーの国立デブレツェン大学医学部に、現地での生活費も出るフルスカラーシップの奨学金を得て進学し、EU圏の医師免許と日本の医師免許の取得をめざしている卒業生もいます。

 海外大学への進学には多額の費用が必要です。その多くが奨学金を得て行きますが、家庭の事情などで海外大学に行けない卒業生の第二の選択肢が、上智大学や国際基督教大学、早稲田大学の国際教養学部といった、英語で学べる国内大学です。そうやって、自分の強みである英語力を、大学でもっと伸ばそうとしているのです。また、関西学院大学には、現地大学の授業料が上乗せされることなく留学できる交換留学の枠が年間250人ほどあるので、関学に進学して、その制度を利用する本校の卒業生もたくさんいます。大学の留学枠に入れるかとどうかは、1回生のときの春学期の成績とTOEFL®︎のスコアで決まるので、留学をめざす本校生徒は卒業前からTOEFL®︎対策の猛勉強をしていますね。

松本 それでは最後に、貴校をめざす受験生と保護者の方にメッセージをお願いします。

田中 本校は私服で通学できますし、化粧をしても髪を染めても叱られない学校です。そうした自由で楽しい面ばかりが世間に紹介されますが、見えないところで生徒たちは毎日、大量の課題やレポートをこなしているのです。ですから、生半可な気持ちでは困ります。それをわかったうえでがんばることができれば、自分が本当にめざしたいものを手に入れることができる学校です。英語を使って世界で活躍するという夢も、夢でなくなる学校なのです。しかし、学校が何かをしてくれるわけではなく、そのための経験や勉強をする場所がここに用意されているということです。あとは、あなたがそれを使い切れるかどうかです。

松本・溝端 本日は貴重なお話をありがとうございました。

22年3月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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