受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

専門性が高い教員による授業と
実体験で「知的基礎体力」を養い
みずから未来を切り開く力を育む

東京学芸大学附属世田谷中学校 校長 福本 みちよ 先生

3年間に凝縮された学校生活
興味を持ってがんばれる子に期待

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野口 卒業後は附属高校に進む生徒と外部の高校を受験する生徒に分かれますね。附属高校への進学者数はどのようになっていますか。

福本 附属中学校は本校を含めて3校あり、その3校に対する附属高校(東京学芸大学附属高校)の枠は約200名です。本校は1学年約140名で、そのうち男女合わせて80数名が附属高校に進んでいます。あとは私立の高校、他の国立大学附属校、東京または神奈川の公立高校に進む生徒もいます。

野口 進路指導で先生方が大切に考えているのは、どのようなことですか。

福本 最も大切にしているのは、生徒が自分で自分の進路を考えることです。1・2年生に関しては、まず「知る」ことですね。今はコロナ禍であまりできませんが、職場訪問をしたり、卒業生の話を聞いたりする機会をなるべく多く設け、興味・関心の幅を広げるようにしています。独自の活動をしている卒業生もたくさんいますから、何らかの刺激を受けると思います。3年生になると具体的な進路指導として、生徒面談、保護者面談を複数回行います。校内テストを中心とした受験指導も行っています。

野口 中学の入学者選考について伺います。出願時の書類に志願者本人が書く自己推薦書がありますが、具体的にはどんなことを書いたらよいのでしょうか。

福本 小学校での活動はもちろん、小学校のことに限らず、外部のチームで取り組んでいたこと、得意なこと、習い事でがんばっていたことなど、自分が一生懸命に取り組んだことを書いていただければと思います。どのくらいのウエイトをかけるかは公表していませんが、自己推薦書も総合的に判断する材料の一つになります。学校説明会でも、中学に入ってからがんばれる子、興味を持ったことに一生懸命に取り組める子に来てほしいと伝えています。自己推薦書を見ると、一つのことを一生懸命にできるお子さんかどうかがわかります。

集合写真

神田 最後になりますが、中学受験をめざしている小学生、そして保護者の方々にメッセージをいただきたいと思います。

福本 本校はきらびやかな校舎もありませんし、ハイテクな設備があるわけでもありません。しかし、教科の指導力には絶対的な自信を持っています。3年間できちんとした基礎・基本の力と、次につなげていくための「知的基礎体力」をつけたいという方、そしていろいろなことに挑戦したいと思っている方にはおもしろい学校だと思います。附属高校はありますが、学校としては中学3年間だけです。中高一貫がいいと思う方は多いでしょうが、逆に中学校しかないので、学校としては高校、大学とその先を見据えて、いろいろなことを考えています。学校説明会でも伝えていますが、本校の生徒は忙しく、鍛えられます。それだけ濃密な空間で濃密な時間を過ごすことができるのです。そういう学校をお望みの方は、ぜひ来ていただけるとうれしいです。

神田 中学3年間しか学校にいられないと思うと、より3学年のつながりが深くなるような気がしますね。

福本 3年生は1・2年生のあこがれの的ですよ。10月に芸術発表会がありますが、わたしが見ていてもすごいなと思います。新型コロナの影響で、練習期間が本当に少なかったのに、「ここまで仕上げてくるか」と思うくらい完成度が高く、集中したときの力のすごさを感じました。お子さんにそういう成長をしてほしいと思われるなら、ぜひ本校に来ていただきたいと思います。

神田 国立の学校は私学のように、その良さを強くアピールしませんから、わかりにくい部分があるかもしれませんが、先生のお話から、3年間の学校生活のイメージが湧いて、身近に感じられるようになったのではないでしょうか。本日はありがとうございました。

22年4月 さぴあインタビュー/全国版:
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