受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

「自調自考」の実践と
「渋幕的自由」の風土が
世界で挑戦する力を育む

渋谷教育学園幕張中学校・高等学校 校長 田村 聡明 先生

好きなことに挑戦できる学校
尊重し合い、自由に活動してほしい

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岡本 さて、2022年度の中学入試では、すべての回で受験者数が前年を上回っていて、大変な人気でした。求めているのはどのような生徒でしょうか。

田村 生徒が自主的に活動している学校だということをわかって入ってきてほしいですね。いろいろなことが楽しめる学校なので、6年間を受け身だけで過ごしてしまうともったいないです。入学したらやってみたいというものを持っている人にはとても楽しい環境だと思います。

岡本 サピックス生を見ていても、貴校を志望する子は自分をしっかり持っているタイプが多い気がします。保護者の勧めではなく、自分自身の希望で受ける子が多くなりました。

田村 それは実感します。中1生と面談しても本当に楽しそうです。もちろん勉強も一生懸命にやりますが、しっかり勉強しつつ、自分のやりたいこともがんばる生徒が多いです。そのためには自分をマネジメントできなくてはなりませんから、そういう人に育っていくような気がします。

岡本 だからこそ「渋幕的自由」ということばが生まれたのですね。

集合写真

田村 「渋幕的自由」はわたしが最も好きなことばです。これは生徒のなかから自然に生まれたもので、個人の尊厳や権利を尊重して、お互いを認め合いながら自由を追求していこうとする生徒たちの在り方を、象徴的に示しています。学校という枠を出て、自由な発想で自由な活動をしてもらいたいと思っています。そこにはもちろん責任が伴います。倫理感に基づくものも含めた社会的な責任です。何をやってもいい自由ではないと、生徒もきちんとわかっています。

神田 最後に、貴校をめざす受験生に、激励のメッセージをお願いします。

田村 本校を希望する人には全員入ってほしいのですが、定員があるのでそれはかないません。ですから、ぜひがんばって、試験を乗り越えてほしいですね。ご縁がなかったとしても、自分がやろうと思っていたことは違う場所でも必ず実現できます。心配しないでください。チャレンジすることが大事なのです。

神田 おっしゃるとおりです。高みをめざすからこそ、人間は成長できます。本日はありがとうございました。

23年3月号 さぴあインタビュー/全国版:
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