受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

多様性を感じられる教育環境で
「共立」の精神を反映させた
21世紀型リーダーシップを育成

共立女子中学高等学校 校長 前田 好子 先生

東邦大学と高大連携協定を締結
高度な理科実験講座が大きな刺激に

先生写真
校長 前田 好子 先生

神田 貴校は教育システムとして「4+2システム」を採用されています。6年間を「基礎力を育てる4年間」と「実践力を育てる2年間」に分けて、それぞれ目標を設定して指導していくということですね。

前田 学力を形成するためには自己管理能力が必要です。中1では、まず時間の管理や自己管理がきちんとできるようにさせたいと思っています。高1までは、芸術科目以外はほぼ全員が同じ科目を履修します。そこで幅広く学び、一人ひとりに合った勉強の仕方を獲得していくということです。高2・3では文系・理系に分けたコース制の下で、大学進学を視野に入れて、より専門性の高い学力の形成をめざします。

神田 特色があるのが、理科教育で行っている東邦大学による実験講座ですね。

前田 昨年12月に、東邦大学理学部と正式に高大連携協定を結びました。東邦大学理学部による実験講座は10年以上前から続いていて、理系コースの高校生を対象に、出張講座のような形式で実施していただいています。昨年は自分の細胞のDNAをPCR法で増幅し、電気泳動法で遺伝子解析を行いました。大学で使っている実験機材を持ち込んでいただいて、大学の実験室で行うのと同レベルの実験ができて、生徒たちにとって良い経験になっています。現在、大学院を含めて20名の本校の卒業生が東邦大学で学んでいるので、その卒業生たちが実験アシスタントとして来てくれます。

 この講座は高校生が対象ですが、中学生のうちからサイエンスに興味を持ってほしいと思っています。文系・理系の選択を意識する前の段階から、理科や数学、情報分野のおもしろさを知ってほしいので、今後はより幅広くやっていきたいと考えています。

神田 生徒には大きな刺激になり、進路選択のきっかけになる方もいるでしょうね。

前田 東邦大学による実験講座を長く続けていることがベースになって、近年では大学の専門家や、社会のさまざまな分野で活躍している卒業生の協力を得て、多様な出張講義を開いています。いろいろな選択肢から興味のあることを選んで体験すれば、生徒みずからが適性を見つけられると思います。いまや「人生100年時代」ですから、大学の4年間、あるいは大学院で学ぶだけで人生が決まるわけではありません。豊かに生きるための人生設計をして、社会に出てからも自分のスキルを伸ばしていかなくてはならないので、そのための“種まき”をしていると思っています。

23年4月号 さぴあインタビュー/全国版:
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